Good Day (ページ12)

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そんな上手くいっているわたしたちだけど、悩みゼロというわけではない。

最近、わたしが、ん？ってなっているのは、

『あー、人間に性的欲求が無かったらいいのに。』

テンの、この発言である。

1回目に聞いたときは、聞き間違いかな、と思ってスルーした。
2回目以降は、なんだか拾うのが嫌で、スルーしている。

スルーしても、テンの主張は滞りなく、最後まで続くので、特に問題はない。
いや、逆に、問題か？

『なかったらさ、服着なくていいんだよ？』

『…今、着てないじゃん。』

『いや、街中とかでも着なくて良くなるんだよ？
すごくない？めっちゃ楽。

あー、無くならないかなぁ。全人類から。』

…そしたら人類終わるね。

『うん。まぁ、終わってもいいけどねー。
服着る方がしんどい。』

…おまわりさん、この人です。
裸で街を歩きたい、とか言ってます。

『いや、別に全裸になりたいんじゃなくて、テンは洗濯物が増えるのが嫌なの！』

『うーん。まぁ、分からんでも、ない？』

たしかに洗濯は面倒だよなぁ、と思って、つい、そう口にすると、

『服着なきゃダメだよ？』

『わかってるよ！！』

恋人への態度としては後々、脳内反省会案件だな、っていうくらいのキレ気味でそう返したのに、当の恋人からは、キャハハ、という笑い声が聞こえるだけなので、わたしの短気も、しばらくは治りそうにない。

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「要するに、お互い様、なんだよなぁ。」

ベッドにうつ伏せになって、枕元の小物置きスペースに立ててあったテンとのツーショットを眺めながら呟いた。

はぁ。

ため息をついて、ぐでん、と仰向けになる。

ちょっと留学してくる、ってなに、

待っててね、っていつまで、

気まぐれにも程があるでしょ…

「보고싶다…(会いたい。)」

自分でも知らず知らずのうちに口から出たそれは、当然だけど、誰に聞かれることもなく白い天井に吸い込まれるように消えていった。

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