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「A、何してるの？」
帰宅後、体育座りでスマホとにらめっこしていたわたしに覆いかぶさってくるうちのワンコ。
身長差が30cmもあるから、ぶっちゃけ、鬱陶しくてしょうがない。
これ、とスマホの画面を見せると、
「…またぼのぼの？」
好きだねぇ、とさっきよりも余計に力を抜いたので、余計に重さを感じる。
「癒されるじゃん。」
肩から体の前に回ってきた腕を掴んでそう答えると、
「うーん、まぁたしかに。」
ジョンウが力を入れたからか、少し背中が軽くなる。
でしょ、と振り向くと、綺麗な顔が思ったより近くにあって、固まってしまった。
「え、なに？
…ぼのぼのに電波取られた？」
目をぱちくりさせるジョンウに、
「…わたしって電波受信してたの？」
え、違うの？と、返してくる彼の頭の中では、お得意の即興劇がもう既に始まっているのかもしれない。
…ほんと、いつも楽しい人。
再び、スマホでぼのぼのを見始めたわたしに、
「ねぇねぇ、ぼのぼのと僕、どっちが大事なの？」
肩を掴んで左右に揺らしながら聞いてくる。
画面も揺れて、ぼのぼのどころじゃない。
「…そんなメンヘラみたいなの、どこで覚えてきたの？」
えへへ、僕すごい？と、ぶんぶん揺れるワンコのしっぽが見えたので、柔らかな髪の毛を数回撫でて、
「あ。」
「なになに？」
「ジョンウのせいで、全然見てないのに1話終わっちゃった。」
不満げにそう言うと、
「…ぼのぼのってそんなに真剣に見るものだっけ？」
なんて言うもんだから、
「なに？…ぼのぼのをないがしろにするの？」
ジョンウをチラッと見たつもりだったのに、睨んだ、と捉えられたのか、ぼのぼのみたいに、ぴゅぴゅぴゅぴゅーい、って汗がでてるジョンウ。
「い、いや、違うよ。
…そんなことしたら可愛いぼのぼのが寂しがっちゃう。
ぼのぼのの目、どんなに小さいか。」
「…たしかに。つぶらオブザつぶらな瞳だね。」
「もはや、黒目しかないしね。」
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作者名：mawol | 作成日時：2022年2月17日 2時
