大丈夫…。〈緑〉-two-

Episode 74 ページ24

神山side


皆に手伝ってもらって今は大阪へ向かう新幹線の中。


俺は窓際の席で隣にしげ、通路を挟んだ同じ列に倉木さんと市村さんが座っていて


他のメンバーは俺らの前に座っている。


神山“俺...昨日の夜...”


今朝起きたらそこはしげの部屋でなぜそこに居たのか全く思い出せない。


神山“淳太くんは風邪のせいって言ってたけど...”


もしおとんのことをしげにバラしていたら...


もしおとんから受けた傷をしげに見せていたら...


それがおとんに知られてしまったら...


考えるだけで体の芯が凍るような感覚におそわれ、体からは嫌な汗が出てくる。


神山「はぁ...はぁ...」


俺は座ったまま体を強張らせ、膝の上で強く握った両手を見つめた。


神山“...今日から俺の体調を整えるために一週間のオフ...”


家に帰った瞬間から始まる地獄の時間。


怖い...帰りたくない...


神山「はぁ...ヒュッ...はぁはぁ...」


どうしよう...どうしよう...


俺の頭の中は悪い考えしか浮かばなくなる。


神山「はっ...はぁはぁ...」


息をするのが苦しくて涙がこぼれそうになる瞳を硬く閉じた。


神山「ヒュッ...スゥッ...はぁ...」


出来るだけ声を出さないように、周りに迷惑をかけないように...。


ピトッ


神山「ぇ...」


重岡「大丈夫。ゆっくり深呼吸やで。」


俺の手に重ねられたしげの手はとても温かかった。

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