大丈夫…。〈緑〉-two-

Episode 58 ページ8

神山side


神山「んｯ…」


まだはっきりしない頭の中、ゆっくり目を開く…


ここはどこだろう…


光は豆電球1つしかなくて、全て冷たいコンクリートで覆われている倉庫のような場所だった。


空調管理が整っていなくてあまりの寒さに体が震える。


周りには誰の姿もない。


神山「ｯ…はぁｯ…はぁｯ…」


恐怖で徐々に呼吸が苦しくなっていく。


すると、ｶﾁｬｯと唯一部屋にあった扉が開いた。


神山「ｯ…おとん！」


そこから現れたおとんに抱きついた。


しかし…


ドカッ


神山「ゔｯ…ｹﾎｹﾎｯけほっ…」


思いっきり膝でお腹を殴られ、体が傾く。


あまりの痛さに、お腹を抱えてうずくまる。


すると今度は手首を強く捕まれ、気づいた時には目の前がおとんと天井だけになっていた。


父「お前、俺のことバラそうとしたんだってなぁ？」


そう目の前で囁いたおとんの声はとても低く、目は全く笑っていない。


神山「ﾋｯ…ごめんっなさｯ…ゔぅ…」


おとんの蹴りが鳩尾に入る。


父「謝るだけで許して貰えると思ってんじゃないだろうな？ﾆﾔｯ」


おとんの怪しい笑みは俺を恐怖に染めた。

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