41 ページ44
『……』
さっさと病院を出てからタクシーを捕まえて家に向かう。
タクシー代のことが一瞬頭をよぎるが、さすがにこの全身ススだらけボロボロの格好で電車には乗れない。
『……』
眉間にシワを寄せながら車に乗ること数分後。
無事に自宅前に到着し、速攻部屋に入ってから洋服をまず脱ぎ捨て、顔を必死に洗った。
下着1枚になり顔も無事に綺麗になったところで私は一言、
『こんな展開聞いていないよーーーーーッッ！？！？』
と、思いっきり叫び倒した。
え？何が？なんのこと？と思うでしょ？
それは遡ること1時間ほど前。
――――――
――――
音「……A。」
尚が私の名前を呼んでくれたことにより、私の意識は戻った。
ゆっくりと目を開けようとしたその時、
音「勘弁してくれ……俺はAにまだ何も伝えられていないのに。」
そんな言葉がいきなり聞こえてきたものだから、私は意識がまだ戻っていないフリをすることに徹した。
音「でも俺はこれを伝えてしまったら、お前との今の関係が壊れてしまうんじゃないかってずっと怯えているんだ。情けない男なんだよ…全然かっこよくなんか、」
どうしたの尚？私なにかしてしまったのだろうか…
そんな不安で心がいっぱいになっていたところで、あの一言。
「…好きだ、A。」
―――――
―――
『……いや、これはきっとなにかの間違い、だよ。うん。尚がそんな私なんかのこと…あれだ。幼馴染としてって意味よね？そうよそうに決まって…』
そう自分に言い聞かせれば聞かせるほど、顔が茹蛸のように真っ赤になっていくのがわかる。
何もかも聞こえていなかったフリをしようと頑張っていたのに、私がよろけたあの時。尚に触れられた瞬間蘇るあの言葉。
あの時の私は赤くなっているであろう顔を隠すのに必死だった。
まぁ…おかげで少しそっけない感じになってしまったのだが…
『さすがにあの態度は尚に謝った方がいいよね…』
でも正直明日からどんな顔して彼に話しかければいいわけ？
いや、そもそもなんで私こんなに意識してるの？絶対何かの間違いだよ…勘違いだって。
だって…尚には涼香さんが………
『…あ"ー…どうしちゃったんだ私。』
ーーーーこの気持ちの名前を知るまであと数日。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 638人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「音羽尚」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
結乃 - 続けてのコメントですみません。。。 物語読んでいて気が付いたのですが。。。 29のここの部分 中身を開封すると、 これ正しくは開いて内容を確認すると、ではないんでしょうか？ (2023年4月25日 12時) (
レス) @page31 id: 361e8a8309 (このIDを非表示/違反報告)
結乃 - まだ早いですがこんにちは(*^^*) 一つお聞きしたいことがあるのですが。。。 主人公ちゃんの名字の読み方斎賀(さいが)で合ってますね？ 間違えていたらすみません(._.) (2023年4月25日 11時) (レス) @page28 id: 361e8a8309 (このIDを非表示/違反報告)
結乃 - 続けてのコメントですみませんm(._.)m 物語読んでいて気が付いたのですが。。。 10のここの部分 ここに引っ越してきてまだ1か月程度。初めてのお客さんは幼馴染の尚になるとはね。 これ正しくは初めてのお客さんがではないんでしょうか？ (2023年4月25日 3時) (レス) @page10 id: 361e8a8309 (このIDを非表示/違反報告)
結乃 - こんばんは(*^^*) はじめまして。 夜分遅くにいきなりすみません。。。 物語読んでいて気が付いたのですが。。。 7のここの部分 実は“食堂のナイチンゲール”さんには2回ほど見かけたことがあった。 これ正しくはナイチンゲールのことはではないんでしょうか？ (2023年4月25日 3時) (レス) @page7 id: 361e8a8309 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - いちさん» いちさん、コメントありがとうございます！そう言っていただける方が1人でもいらっしゃる事実が嬉しくて泣きそうです😭💕なんとか最後まで書き上げられるようにモチベ上げていきたいと思っているのでこれからもよろしくお願いします🙇♂️ (2021年10月3日 21時) (レス) id: d7545da616 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆう | 作成日時：2021年9月13日 21時
