【東京喰種】向日葵の恋。 (ページ3)

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story3 ~亜門side~ ページ3

「最近メギツネの目撃が少ないな」

「死んだんじゃないですか？」

資料を見ながら篠原特等と滝沢二等が話している。

「まさか。SSSレートの喰種だ、きっと他の区に身を潜めているか、

それとも、人間として20区で生きているのか...」

「...」

SSSレートの喰種、"メギツネ"。

狐のマスクを装着した、黒髪の少女。

推定では小柄な身体から、まだ10代で学生だと思われる。

最近はメギツネの目撃と被害が減ってきてはいるが、

学生と見られることから、学校内での被害が出る前に

早めの駆逐を試みている。

「メギツネの捜査、私たちにやらせていただけないでしょうか、篠原特等」

アキラが口を開いたと思ったら、なしがたいことを言い出した。

『おいアキラ...』

「...あぁ、いいだろう。メギツネは他の喰種よりもまだ若い。

他よりは戦いやすいだろうしな。」

「ありがとうございます」

『...』

「だが、油断は禁物だ。SSSレートとなれば、そこそこ厄介にはなるだろう。

まあ、いざとなれば俺たちも援護するよ」

『わかりました。ありがとうございます...。』

『アキラ、なぜお前はメギツネの捜査に自ら足を踏み入れたんだ？』

「...」

アキラは立ち止まり、考え込むように床を見つめ、俯いた。

「まあ...勘...だな」

『勘？』

「メギツネは身近な喰種な気がしてな。案外近くにいるかもしれないぞ」

彼女の勘は父である真戸呉緒に似て、よく当たる。

「にしても、SSSレートの喰種のわりにはあまり重要視されていなかったな」

『まあ、メギツネは3年前の事件から一切姿を見せなくなっていたからな』

「事件...？」

『あぁ。』

アキラはこちらを向いて眉をよせて尋ねてきた。

「事件から...か」

彼女はフッと余裕の笑みを浮かべていた。

まるですべてをわかりきったように...。