【アタボイ】最善策は最初から無かった。 ページ3
※一応、れをるさんのNo title参考です。あと、アタリが元博士設定です。「初めまして」とは別のお話です。
博士(アタリ)「…ふぅ。」
俺がVoidollを作って1年。あいつは言葉も感情も自身でコントロールできるようになった。
そして、俺はずっとVoidollの前でそのまま生きる訳には行かない。
だから俺の架空の人物…「十文字アタリ」になる。
着替えて、口調も変える。…よし、完璧。
これが、俺がなりたかった誰にでも好かれる、元気な人当たりのいい少年、「十文字アタリ」だ。
仕上げにコントローラーを腰に掛け、Voidollを起動させる。
ちなみにVoidollの体には電源ボタンはない。俺が持っているコントローラーについているボタンで起動する。
Voidoll『ピー…オハヨウゴザイマス。ハカ…セ…?』
アタリ「お、おはよ!俺は十文字アタリだ!宜しくな!」
…今ので大丈夫だっただろうか。
Voidoll「…アタリサン…博士ハ…?」
アタリ「あー…わかんねぇけど…これから宜しくな!」
Voidoll『ソウデスカ…マァ、アタリサン、ヨロシクオ願イシマスネ。』
…もう、後戻りはできない。前に進むしかない。
しばらくしてからVoidollの電源を落とし、あの研究中にできた深い傷を見えないように縫い付けて、全ては頭の中で繋いだ通りに回り出す。
…こんな痛みは慣れっこだ。でも内心、焦っていた。いつか気づかれないか…心配で、違う自分を演じていくのが苦しくて、呼吸が困難になる。
そして気づかないうちに俺はまた独りだ。Voidollがいないと。
……何が正解だったのだろう?俺には最初から光は無かった。
俺が全て間違ってしまっていて、その対価を今、払っている途中なのだろうか。
小さいころ、俺はいじめられていた。
…俺が嫌いだと言ったアイツはきっと、ただそれだけでも「不正解」だったんだ。
俺の人生の点数が0点だって、提言したって、全然納得出来ない理由も。
最前線はいつだってここだったんだ。
でも、最善策なんて最初から無かったんだ。
緩やかに、今までの博士だった頃の思い出が崩れ、壊れていく。
そうして首を締めるように、昨日までの”博士”が消えていく。
緩やかに、”博士”とVoidollは離れ、忘れていく。
君が聞く声は俺の、”博士”の知らないものになっていく。
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愛里(プロフ) - マルリリで〇〇しないと出れない部屋とかして欲しいです。 (2018年10月3日 1時) (レス) id: 95c5af7e07 (このIDを非表示/違反報告)
舞華(プロフ) - 眼鏡。さん» 本当に遅れて申し訳ありません…! はい!書かせていただきます! (2018年3月8日 19時) (レス) id: b2fc3ffc07 (このIDを非表示/違反報告)
眼鏡。(プロフ) - リクエストって良いですか?アダマリの秘密の恋人みたいな雰囲気のを…!!突然すみませんm(_ _)m (2018年1月20日 3時) (レス) id: 0e24f7fe4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:舞華 | 作成日時:2017年10月21日 12時