23．経験値は役に立たない ページ23
箱の中にあったのは、あの店で唯一手にとって見たペンダントだった。
何故ここにあるのか理解が出来なくて、声を発さないでひとらんさんを見ると、楽しそうに笑う彼と目が合った。
「必要な物じゃないって言ってたけど、欲しくないとは言ってなかったから」
「……だからって、わざわざ買うことはないでしょう。もしくは嫌味ですか？」
前世よりも私、性格が悪くなったみたい。
相手の行動が素直に受け止め切れなくてつい尖った言い方をしたのに、ひとらんさんは気にもしないで話し続けた。
「そんなつもり全く無いよｗでも、迷惑だったらごめんね」
「……いえ、私の方こそすみません。変なこと言ってしまって」
「気持ちは分かるから気にしなくていいよ」
「それは、どういう意味で？」
「俺だって外交官の護衛してるからね」
それは、神経質な程に周りを疑う癖がつくのを知ってるって事か。
「ここに来てからそういう仕事をするようになった俺とは事情が違うだろうけどさ、そこまで自分を追い詰める必要は無いでしょ」
「え？」
つい、素で声が出てしまった。
けれど、そんな事を言われるなんて思ってもいなかった。
「あれ、もしかして自覚無い？」
「むしろ、そう見えているのかと今初めて知りました」
「重症だね」
思えば、前世を終えているからか生死に対する執着は無いし、転生してから色々あって物欲も無くなってしまった。だから、自分に関することは結構蔑ろにしていたかもしれない。
「警戒心を無くせとは言わないけど、自分へのご褒美くらいはあげても良いんじゃない？」
私の手を指差してそう笑うひとらんさん。
「……後日、何かお返しします」
「あ、それなら手合せしようよ。飾りじゃないでしょ？その刀は」
そこで初めてこの人が笑顔以外の表情を見せた。
「ここの皆様はどなたも戦う事がお好きなようで」
「否定は出来ないwでも俺は個人的に気になったんだ。刀を使う人なんて俺以外に見たのは初めてだからさ」
「そうですか。手合せに関しては明日以降であればいつでも構いません」
「うん、分かった。ありがとね」
「……いえ、こちらこそありがとうございます」
箱の中からペンダントを取り出して眺める。
やっぱり、懐かしいな。
暫し、感慨に耽ってから首にかける。
「本当に、ありがとうございます。大事にします」
改めてお礼を言うと、彼は何故か驚いた顔で固まっていた。不思議に思って聞こうとすればノックの音で消される。
「A、お昼よ」
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ニコ(プロフ) - 白夜（ハクグン）さん» 温かいお言葉をありがとうございます!!おかげで創作意欲が取り戻せましたw無理をしない範囲で物語を進めていきますのでお楽しみに。 (2020年11月14日 16時) (
レス) id: 531ac8166f (このIDを非表示/違反報告)
白夜（ハクグン）(プロフ) - 初コメ失礼します！騎士さんとお嬢様が大好きすぎてもう、、、すごく読んでて楽しい作品です！応援します！あ、これからも、です！最近色々問題が多いので、お体にも気をつけて、、、無理せず頑張ってください！ (2020年11月13日 12時) (レス) id: d2ad143a92 (このIDを非表示/違反報告)
ニコ(プロフ) - Ｒ_さん» ありがとうございます！そう言って下さる方がいるだけで頑張れます……！最後までニヤニヤ出来る作品を目指しますw (2020年5月18日 9時) (レス) id: 531ac8166f (このIDを非表示/違反報告)
Ｒ_ - 初コメ失礼します！！ とても面白くてニヤニヤしながら拝見させて頂いています(((変質者))) この作品大好きっす…！ 応援してます…！！ 更新、無理しない程度に頑張ってください…！ (2020年5月18日 1時) (レス) id: 882f22aeaa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ニコ | 作成日時：2020年4月13日 23時
