20．子の成長を見守る親の気持ち ページ20
まだ日の昇らない薄暗い早朝に目が覚める。
前世の名残に加えて、アイラの護衛をするようになってから早起きが加速した気がする。
布団から出て洗面台に向かい、冷たい水で顔を洗えば幾分か頭がすっきりする。
それからいつもの軍服に着替えようとして手を止める。
(思い出した。今日はこれを着るなと言われたんだっけ)
昨夜の夕食時に、いくら視察と言えど堂々と他国の軍服で街を練り歩いたら悪目立ちしてしまうと言われてしまったんだった。
元々多くない荷物を眺めて暫し悩む。
ズボンはいつも着てる物しか持ってないけど、刺繍とか入って無いから大丈夫でしょ。それからハイネックの黒のインナーにその上からシャツを着る。腰に刀を差して、刀が見えなくなるくらい裾が長い上着を着れば、身支度はこれで完了。
窓を見れば、やっと明るくなってきていた。
丁度いい時間なので部屋から出て、アイラの部屋をノックする。
「お目覚めですか、お嬢様？」
『あ、ちょっと待って』
言われた通り待つと、中からバタバタと動き回る音の後に扉が開いた。
「おはよう、A」
「おはようござい、ま、す……」
「どう？完璧でしょう」
そこに立っていたのは、身支度を既に済ませたドヤ顔のアイラだった。
「どうされたのですか？」
「ここにいる間は着替えとか朝の身支度は自分でやろうと思って」
「成程。では、朝はもう少し遅い時間にお伺い致しますね」
「そうしてもらえると、助かるわ」
慌てたことで散乱した室内を見て苦笑するアイラ。
「では、部屋を片付けたら紅茶でも淹れましょう」
「いいわね」
暫く、二人だけのゆっくりとした時間を過ごした。
「じゃ、行こうか」
朝食を終えて街に行く準備を整えると、昨日話していた通り外交官のオスマンさんとその護衛を勤めるひとらんさんも行くことになり、その四人で車に乗り込んだ。
「運転までしてくださり、ありがとうございます」
「気にしなくていいよ」
運転席にひとらんさん、後部座席にアイラとオスマンさん、私が助手席という位置で座る。
オスマンさんがアイラの手を引いて先に座ってしまったから仕方ない。
「街の入口で良い？」
「はい、大丈夫です」
そんな穏やかなやり取りを耳に入れながら、流れていく窓の風景を眺める。
「どこら辺見たいとか、なんかあるん？」
「今回は、人々がどういう暮らしをしているかを見て行こうと思います」
「なら、住宅地とか公園なんかもええね」
完全に出来る人の会話だな。
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ニコ(プロフ) - 白夜（ハクグン）さん» 温かいお言葉をありがとうございます!!おかげで創作意欲が取り戻せましたw無理をしない範囲で物語を進めていきますのでお楽しみに。 (2020年11月14日 16時) (
レス) id: 531ac8166f (このIDを非表示/違反報告)
白夜（ハクグン）(プロフ) - 初コメ失礼します！騎士さんとお嬢様が大好きすぎてもう、、、すごく読んでて楽しい作品です！応援します！あ、これからも、です！最近色々問題が多いので、お体にも気をつけて、、、無理せず頑張ってください！ (2020年11月13日 12時) (レス) id: d2ad143a92 (このIDを非表示/違反報告)
ニコ(プロフ) - Ｒ_さん» ありがとうございます！そう言って下さる方がいるだけで頑張れます……！最後までニヤニヤ出来る作品を目指しますw (2020年5月18日 9時) (レス) id: 531ac8166f (このIDを非表示/違反報告)
Ｒ_ - 初コメ失礼します！！ とても面白くてニヤニヤしながら拝見させて頂いています(((変質者))) この作品大好きっす…！ 応援してます…！！ 更新、無理しない程度に頑張ってください…！ (2020年5月18日 1時) (レス) id: 882f22aeaa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ニコ | 作成日時：2020年4月13日 23時
