19．自由にも程がある ページ19
自分の食事に全く手を付けていないアイラはニコニコと楽しそうに笑っている。
(毎回のことだけど、何が楽しいんだか)
口元を拭いて溜息を誤魔化していると、私たちの会話でアイラがまだ食べていないことに気付いたオスマンさんが話し掛けてきた。
「あれ？食べられへん物とかあった？」
「あぁ、いえ。そういう訳ではないのです。ただ、」
こちらを見るアイラはまるで悪戯っ子のようだ。
「私の為に食べている姿が格好良くて、見られていることを意識したら照れてしまう、私の可愛い騎士がいたので」
「っ……ご容赦下さい、お嬢様」
この猛攻撃には耐え切れず、片手で顔を覆う。
何故こうも人前で恥ずかしいことを言うのかな、この子は！？
羞恥心と一人で闘っていたら、穏やかとは言えない一言が聞こえた。
「つまり、毒味しとったっちゅーことか」
あっけらかんと言い放たれた言葉には、軽さの割に多少の棘が混じっていた。
言った本人であるコネシマさんを見ると、淡々と食事を続けている。
「否定はしませんが、私が言ったことも嘘ではありません」
「と、言うと？」
「この料理に毒など入っていないのは分かっていましたので、私の騎士の健気な姿をただ見ていただけですわ」
「……は？」
当たり前の事を言っただけという雰囲気で話したアイラは、他の方のことなど気にせずやっと食事を始めた。
「ん、とても美味しいですわ」
皆様を置いて普通に食べ進めるアイラに、理解の追いついていない方が慌てる。
「いやいや、ちょっと待って」
「意味が分からんのやけど」
「……もし、本当に毒が混入していた場合。お嬢様は私が食べるより前に、席をお立ちになる筈です」
仕方ないから私が一言付け加える。
すると、黙って聞いていた総統が笑い出す。
「成程、成程。アイラ様は余程、その騎士が大事とお見受けする」
「ええ。私にとって、無くてはならない存在ですわ」
友人としては嬉しいが、従者としてはあまり良くない言葉に複雑な心境になる。
「所で、お二人は明日からの予定はもう決まっているのかね？」
食事を進めつつ、総統からそんな質問をされる。
「まだ詳しくは決めていないのですが、明日は街へ行こうと」
「ほぅ」
「来る途中で寄ってみたいお店などもあったので、調査のついでに行ってみようと思っております」
「それならば、ここにいる誰かを案内役に連れて行くといい」
その言葉に、一人手を上げた。
「俺が行くで」
オスマンさんが薄く笑って言う。
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ニコ(プロフ) - 白夜（ハクグン）さん» 温かいお言葉をありがとうございます!!おかげで創作意欲が取り戻せましたw無理をしない範囲で物語を進めていきますのでお楽しみに。 (2020年11月14日 16時) (
レス) id: 531ac8166f (このIDを非表示/違反報告)
白夜（ハクグン）(プロフ) - 初コメ失礼します！騎士さんとお嬢様が大好きすぎてもう、、、すごく読んでて楽しい作品です！応援します！あ、これからも、です！最近色々問題が多いので、お体にも気をつけて、、、無理せず頑張ってください！ (2020年11月13日 12時) (レス) id: d2ad143a92 (このIDを非表示/違反報告)
ニコ(プロフ) - Ｒ_さん» ありがとうございます！そう言って下さる方がいるだけで頑張れます……！最後までニヤニヤ出来る作品を目指しますw (2020年5月18日 9時) (レス) id: 531ac8166f (このIDを非表示/違反報告)
Ｒ_ - 初コメ失礼します！！ とても面白くてニヤニヤしながら拝見させて頂いています(((変質者))) この作品大好きっす…！ 応援してます…！！ 更新、無理しない程度に頑張ってください…！ (2020年5月18日 1時) (レス) id: 882f22aeaa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ニコ | 作成日時：2020年4月13日 23時
