186.余計 ページ39
「私、稀血なんです。運が良かっただけですよ。杏寿郎さんには二度も助けてもらいました。………流石に三度目に襲われた時は、もう駄目かと思いましたけど」
「うむ。あの時は流石に肝が冷えた！それに元婚約者の屋敷に行ってしまったAを探すのにも苦労したな！」
杏寿郎さんの一言に周りが一瞬、しーんっと静まり返る。
「お？なんだそれ。元婚約者？お前煉獄と付き合う前に婚約者がいたのか？そいつは初耳だな！………面白そうじゃねーか！詳しく聞かせろ！！」
食い付いてきたのは宇髄さんだ。
「うぅ………ひ、一言余計ですっ！」
思わずぺしっと彼の肩を叩く。
「む！す、すまない……」
ただ一人、私たちの馴れ初めを知っている蜜璃ちゃんだけは違った。
「きゃー！思い出すとキュンキュンしちゃうわ！！」
「…南無。甘露寺は知っているのか？」
「ふふふっ。いくら悲鳴嶼さんでも教えられません。Aさんとの約束だから秘密なの」
蜜璃ちゃん、それはもう“知っています”と言っているようなものよ………と心の中で呟く。
「私もぜひAさんと煉獄さんのお話、お聞きしたいです」
胡蝶さんも女性だからこの手の話は気になるようだ。
他にも、じいっと冨岡さんや伊黒さんの視線が私たちに刺さっている。
一方、不死川さんは興味がないのかお酒をおかわりしていた。
時透さんは未だに杏と紙飛行機に夢中だ。
「えっと、………少し長くなりますよ？」
そう前置きして私は口を開いた。
＊＊＊＊＊
宴会は夜遅くまで続き、泊まっていく方もいたけれど次の日になると、朝餉のあと全員が帰宅された。
夕方になると私は何時ものように任務に出掛ける杏寿郎さんを見送る。
杏が生まれてからは千寿郎くんと三人、または杏と二人で見送ることが多くなった。
「では行ってくる！」
逞しい笑顔の杏寿郎さんに私も笑い掛ける。
「えぇ、お気をつけて。行ってらっしゃい」
そう言うと、ちゅっと頬に口付けが落ちてくる。
最近、杏と二人で見送るときはこれが習慣になっていた。
「ほら、杏もお父様に行ってらっしゃいは？」
私の腕の中の娘を覗き込む。
「とーしゃま！いてらしゃい！」
まだまだ舌足らずな言葉で一生懸命そう紡ぐと不器用な動作で手を振る。
「うむ。行ってくる。お母様の言うことちゃんと聞くんだぞ」
杏寿郎さんが杏の頬にもちゅっと唇を寄せる。
娘がくすぐったそうに頷いたのを確認すると、彼は嬉しそうに玄関を出た。
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義勇と杏寿郎推し - 杏大丈夫か？心配だ！まさか杏鬼に襲われたのか？杏〜〜〜〜！ (2021年5月3日 10時) (
レス) id: 4609b567d2 (このIDを非表示/違反報告)
義勇と杏寿郎推し - 鮭大根食べたい･････。ムフフしたい･････。ないからさつまいもで我慢した！わっしょい！ (2021年4月8日 17時) (レス) id: 4609b567d2 (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - 義勇と杏寿郎推しさん» こんばんは(^^)なるほど、今度はアオイちゃんですかね。 (2021年4月7日 20時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
義勇と杏寿郎推し - あら！正解です！簡単でしたね！ 月のものが来てなかったらもしかしたら･････妊婦しているのかもしれないので蝶屋敷に来てくださいね！誰だしょう？しのぶさんじゃありません！蝶屋敷の誰です！答えはコメントで！ (2021年4月7日 9時) (レス) id: 4609b567d2 (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - 義勇と杏寿郎推しさん» こんばんは(^^)ふむふむ。しのぶさん、ですかね？ (2021年4月6日 18時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月見 | 作成日時：2021年3月14日 8時
