184.交流 ページ37
その後、私は柱の方々と交流を深めた。
僧侶のような格好の大柄な悲鳴嶼さんと、まだ幼い少年の時透さんを杏寿郎さんに紹介してもらった。
「ご飯はお口に合いましたでしょうか?」
「南無、あんなにうまいのは久しぶりに食べた」
何故か手を合わせて涙を流すので少し焦る。
「僕も久しぶりに食べた気がする………」
「…あ、ありがとうございます」
こ、この二人は、この反応が平常運転なのかしら………?
返しに困っている私をよそに、杏寿郎さんが満足げに「うむ!それは良かった!」と喜んでいる。
すると、杏が時透さんの長い髪が気になったのか、くいっと右手で引っ張った。
「杏、駄目よ。………時透さん、すみません」
申し訳なく思っていると、今まで真顔だった、彼が杏を見るとくすっと笑った。
「折り紙、………好き?」
何時のまにやら、杏は折り紙で作った鶴を左手に持っていた。
「うー!」と嬉しそうに返事をした杏。
私の膝から降りると、とたとたと歩いてタンスの下の段にある小さな引き出しを開けて、折り紙を取り出した。
きらきらした笑顔で戻ってくると、ペキペキと降り始める。
それを見た彼も何やら折り紙で何かを作り始めた。
あっという間に紙飛行機が出来上がって、彼がひゅっと腕を振って飛行機を飛ばす。
すうっと飛んで行ったそれは、部屋の壁に当たって落ちた。
もしも壁がなければ、まだまだ力を残して飛んでいたことだろう。
それを見た杏が「きゃっきゃっ!」と手を叩いて喜ぶ。
「す、凄い……」
思わず呟く。
その時に見た彼の顔はとても嬉しそうに見えた。
柱とは言え、まだまだ少年。
掴み所がないところはあるけれど、そう言うところは年相応なんだと感じた。
時透さんの作る紙飛行機に夢中の杏を杏寿郎さんたちに託して、私は気になっていた小柄な女性の元に向かった。
「お料理とっても美味しかったです。煉獄さんからAさんの話は良く聞いていますよ。藤の花の家紋を掲げる民宿の娘さんだったんですよね」
彼女は胡蝶しのぶさんと言うそうだ。
こんなにも美人で小柄な女性が鬼狩りをしているなんて、とても驚いた。
「えぇ、そうです。あの………お恥ずかしいのですけれど、杏寿郎さん私のこと皆さんになんて話しているんですか?」
「自分には勿体ないぐらい良くできた妻だと、いつも幸せそうに話していますよ」
それを聞いて頬が熱くなる。
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義勇と杏寿郎推し - 杏大丈夫か?心配だ!まさか杏鬼に襲われたのか?杏〜〜〜〜! (2021年5月3日 10時) (レス) id: 4609b567d2 (このIDを非表示/違反報告)
義勇と杏寿郎推し - 鮭大根食べたい・・・・・。ムフフしたい・・・・・。ないからさつまいもで我慢した!わっしょい! (2021年4月8日 17時) (レス) id: 4609b567d2 (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - 義勇と杏寿郎推しさん» こんばんは(^^)なるほど、今度はアオイちゃんですかね。 (2021年4月7日 20時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
義勇と杏寿郎推し - あら!正解です!簡単でしたね! 月のものが来てなかったらもしかしたら・・・・・妊婦しているのかもしれないので蝶屋敷に来てくださいね!誰だしょう?しのぶさんじゃありません!蝶屋敷の誰です!答えはコメントで! (2021年4月7日 9時) (レス) id: 4609b567d2 (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - 義勇と杏寿郎推しさん» こんばんは(^^)ふむふむ。しのぶさん、ですかね? (2021年4月6日 18時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月見 | 作成日時:2021年3月14日 8時