149.任務への不安 ページ2
涙を堪えて二人の首元に腕を回してぎゅうっと抱き締める。
あぁ、駄目ね…
二人はこれから任務に出るのに。
待っている私よりも、二人の方が不安や緊張と戦っているはずなのに、こんな情けないところを見せてしまうなんて………
それでも、杏寿郎さんも蜜璃ちゃんも私のことを抱き締め返してくれた。
ぽんぽんっと、私の背中を叩く杏寿郎さんの優しい手に、胸が張り裂けそうだった気持ちが少し楽になる。
「A。甘露寺と共に必ず帰ってくる。約束しただろう?」
「っ、はい……!」
「そうだな………帰ってきたら旅行に行こう!何時だったか、君と約束しただろう?“一緒に行こう”と」
二人を抱き締める力を緩める。
そう、それは私が煉獄家へ来るとき、列車の中で杏寿郎さんと交わした約束だ。
「………覚えていてくださったんですか?」
二人から体を放して、驚きで杏寿郎さんを見た。
「あぁ!まだ叶えていない約束だからな!」
そう言って彼が私に笑みを溢す。
覚えていてくれたことに驚いたけれど、それ以上に嬉しかった。
「…楽しみにお待ちしています」
「俺もだ!」
二人で微笑み合う。
「千寿郎、任務事態は長引いても一週間、早ければ明日にでも決着がつく。その間、Aを頼んだ」
ぐいっと杏寿郎さんが私を押して千寿郎くんに託す。
「はい!」
「Aさん!心配しないで!煉獄さんならきっと大丈夫よ!」
蜜璃ちゃんに「えぇ」と頷く。
「では行ってくる!」
力強い言葉と共に背を向ける二人。
「お気をつけて行ってらっしゃいませ!」
私は二人を精一杯見送った。
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義勇と杏寿郎推し - 杏大丈夫か?心配だ!まさか杏鬼に襲われたのか?杏〜〜〜〜! (2021年5月3日 10時) (レス) id: 4609b567d2 (このIDを非表示/違反報告)
義勇と杏寿郎推し - 鮭大根食べたい・・・・・。ムフフしたい・・・・・。ないからさつまいもで我慢した!わっしょい! (2021年4月8日 17時) (レス) id: 4609b567d2 (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - 義勇と杏寿郎推しさん» こんばんは(^^)なるほど、今度はアオイちゃんですかね。 (2021年4月7日 20時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
義勇と杏寿郎推し - あら!正解です!簡単でしたね! 月のものが来てなかったらもしかしたら・・・・・妊婦しているのかもしれないので蝶屋敷に来てくださいね!誰だしょう?しのぶさんじゃありません!蝶屋敷の誰です!答えはコメントで! (2021年4月7日 9時) (レス) id: 4609b567d2 (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - 義勇と杏寿郎推しさん» こんばんは(^^)ふむふむ。しのぶさん、ですかね? (2021年4月6日 18時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月見 | 作成日時:2021年3月14日 8時