134.復活 ページ36
翌日、完全に復活した私は杏寿郎さんに貰った簪と羽織を着ていつも通り早朝から台所に立っていた。
「Aさんおはようございます！」
そんな声がして振り返る。
「あ、おはよう千寿郎くん」
「もう体は大丈夫ですか？」
「えぇ。お陰様ですっかり良くなりました！暫くお休みしちゃってごめんね。私の為にお粥まで作ってもらって、本当にありがとう！」
にっこり笑えば照れたように、彼が笑って首を横に振る。
「いえ、そんな。僕は大したことしていません」
「今日からまた私も頑張るから、千寿郎くんはお稽古頑張ってね！」
「ありがとうございます！………あ！そうだ、もう少ししたら蜜璃さん帰ってきますけど、その日は何を作ります？」
その言葉に、今も藤襲山で頑張っているであろう彼女の姿を思い浮かべる。
日数的に言えば恐らく今日が最後の一日で、明日の朝に終わる筈だ。
「…そうだね。蜜璃ちゃんの好きなもの沢山用意しておかなくちゃね！」
考えると心配になる。
けれど、きっと彼女なら大丈夫。
「では、お茶請けに桜餅は必須ですね」
「えぇ。それと、献立の内の一つは決まっているの」
言えば、千寿郎くんがきょとんとした目を向ける。
「そうなんですか？」
「出発前にね、彼女が食べたいって言ってたから」
「そうでしたか」
「きっと、お腹を空かせて帰ってくるだろうから頑張ろうね！」
ぐっと握り拳を作って、気合いを入れるように話しかければ、「はい！」と力強い返事が返ってきた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 245人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
月見(プロフ) - 莉子さん» 可愛らしく書けていてよかったです！作者も早く二人には祝言あげて欲しくてうずうずしています！でもきっとあともう少しです(^^) (2021年3月10日 21時) (
レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
莉子(プロフ) - 夢主ちゃん可愛いですね( ´ ▽ ` )早く祝言あげて欲しいですね。。。 (2021年3月10日 20時) (レス) id: da7568f49d (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - 莉子さん» ありがとうございます！夢主ちゃんには甘い煉獄さんを書いてみたら、自然と優しくなりました(*^^*) (2021年3月1日 12時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
莉子(プロフ) - 煉獄さん優しい。。（ ; ; ）月見様の煉獄さん大好きです。 (2021年3月1日 12時) (レス) id: da7568f49d (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - 莉子さん» コメントありがとうございます！プロポーズのシーンは悩みながら書いたので、そう言って貰えて嬉しいです！夢主ちゃん、少しずつ成長してます(^^) (2021年2月26日 12時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：月見 | 作成日時：2021年2月4日 23時
