100.力持ち ページ2
「…？どういうこと？」
「行く先々のお店の方は、Aさんと話すのを楽しみにしているように見えます」
『皆、Aが店に来て話すのを楽しみにしていたと言っていた』
煉獄家へ向かう日、杏寿郎さんが言ってくれた言葉を思い出す。
兄弟揃って同じ事を言うのかと、微笑ましくてつい「ふふふっ」と笑ってしまう。
「………あれ？…僕、何か変なこと言いましたか？」
「ううん。違うの。ただ杏寿郎さんと似てると思って」
焦り始めた彼にそう言うと、ますます分からないとでも言うように首を傾げていた。
そんな会話をしていたらあっという間に米屋へ辿り着いた。
いつもは重いからと、配達をお願いしているのだけれど、甘露寺さんが自分が運ぶと言い出した。
「嬢ちゃんやめときな！」と言う店主の声を無視して軽々と米俵を持ち上げるものだから、その場にいた全員、驚きで腰を抜かしそうになった。
杏寿郎さんのように体つきがしっかりした男性はともかく、可憐で細い彼女の体のどこにそんな力があるのか………
「ほ、本当に大丈夫？」
帰り道を歩きながら米俵を担いでいる甘露寺さんに声をかける。
すれ違う人たちも驚いて彼女を見ていた。
「えぇ！全然平気よ！生まれつき体は丈夫なの！！」
全く苦じゃないとでも言うように笑うから本当にびっくりだ。
家に着いて食材を片付けると、早速新しく買ってきたお茶で一休みすることにした。
買ってきたお菓子を広げて自然と会話が弾んでいく。
「Aさん、聞いてもいいですか？」
「えぇ、何でしょう？」
「Aさんは、その………師範とはどういうきっかけでお付き合いすることになったの？」
「う、ぐっ……！？」
まさか、そんなことを聞かれるとは思ってなくて、危うく飲みかけていたお茶を噴き出すところだった。
「い、言いたくなかったらいいんですっ！ただ、………私、羨ましくて」
「羨ましい……？」
もじもじと手を遊ばせる甘露寺さん。
「Aさんも師範もとっても優しい目をして見つめるんだもの。お互いがお互いを慕っているのが、凄く伝わってくるから………」
「僕もそう思います。前にも言いましたけれど、兄上がAさんを見る目は凄く幸せそうで、Aさんがこちらに来てくれるまであんなに幸せそうな姿は見たことがありませんでした」
二人の言葉で、ぼふんと一気に顔が熱くなる。
そして、この二人の前で杏寿郎さんに抱き締められたことがあるのを思い出した。
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月見(プロフ) - 莉子さん» 可愛らしく書けていてよかったです！作者も早く二人には祝言あげて欲しくてうずうずしています！でもきっとあともう少しです(^^) (2021年3月10日 21時) (
レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
莉子(プロフ) - 夢主ちゃん可愛いですね( ´ ▽ ` )早く祝言あげて欲しいですね。。。 (2021年3月10日 20時) (レス) id: da7568f49d (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - 莉子さん» ありがとうございます！夢主ちゃんには甘い煉獄さんを書いてみたら、自然と優しくなりました(*^^*) (2021年3月1日 12時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
莉子(プロフ) - 煉獄さん優しい。。（ ; ; ）月見様の煉獄さん大好きです。 (2021年3月1日 12時) (レス) id: da7568f49d (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - 莉子さん» コメントありがとうございます！プロポーズのシーンは悩みながら書いたので、そう言って貰えて嬉しいです！夢主ちゃん、少しずつ成長してます(^^) (2021年2月26日 12時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月見 | 作成日時：2021年2月4日 23時
