97.負担 ページ48
「…でも、私は杏寿郎さんに助けてもらってばかりで、何も返せてません」
思った事を口にすると、すかさず「そんなことはない！」と言ってくれる。
「…でも、貴方の負担になりたくたいから」
ぽつりと呟くと杏寿郎さんの手を握っていた私の手に、更に彼の手が重ねられる。
「君を負担に感じたことはない。Aが傍に居てくれるだけで頑張れるのだからな。それに、家の事を任せきりにしているので、こちらが毎日助けられているぐらいだ！」
「…本当ですか？」
私は負担になっていないの？
ちゃんと貴方の役に立てているの？
「あぁ！それに君の作るものはどれもうまい！」
どこか自信に満ちた表情の彼に、なんだか太鼓判を押された気分になる。
「兄上の仰るとおりです。僕はAさんのお陰で稽古の時間が長く取れるようになりましたし、毎日美味しいご飯が食べられるので幸せです」
「私も、Aさんの作るご飯とっても美味しくて、ついつい食べ過ぎてしまうの！それに、私ったらお稽古ばかりで何もお手伝い出来ていないから、申し訳ないぐらいです………」
「………皆さん」
千寿郎くんや甘露寺さんにまで褒められてしまった。
でも、嬉しい。
「君は何も負い目を感じることはない！俺は君の婚約者だ！君を守るのは自然なことであり、当然の事だからな」
ぎゅっと握られている手に力が込められる。
「……分かりました。私はこれからもこの家の事を精一杯させてもらいます。だから、それ以外のことはよろしくお願いしますね、杏寿郎さん」
真っ直ぐ彼を見ると優しく笑いかけてくれる。
「勿論だ！それに家の事だって君一人で抱え込む必要はないからな！困ったことは何でも言ってくれ！」
それを聞いて「ありがとう」と私は微笑み返した。
そして、消毒の続きを行うとガーゼを当てて包帯を巻き直した。
この日から、杏寿郎さんが非番の日は毎晩のように一緒に過ごすようになった。
他愛のない話をして、たまに手を繋いで抱き締められたり、抱き締め合ったり。
日中も稽古の途中で千寿郎くんや甘露寺さんも含めた四人で縁側に腰掛けて、お茶や茶菓子を嗜んだりとゆったりした日々を過ごした。
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月見(プロフ) - 莉子さん» コメントありがとうございます！可愛い女の子の弟子が気になって嫉妬しちゃう夢主ちゃん。私もきっと妬いちゃうなと、思いながら書いてました！このあとの展開を楽しんで頂ければ嬉しいです(^^) (2021年1月27日 20時) (
レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
莉子(プロフ) - またまたコメント失礼します！夢主ちゃんの気持ち分かる〜（ ; ; ）婚約者になっても一緒に居られる時間少な過ぎて、もっとラブラブして欲しいですねぇ！私も絶対甘露寺ちゃんに妬いちゃうと思う。。あんなに可愛いし笑二人の絡みがもっと欲しいです！( ´ ▽ ` ) (2021年1月27日 19時) (レス) id: da7568f49d (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - 莉子さん» コメントありがとうございます！煉獄さんは簡単に意見や思いを曲げない人だと思ったので、一途になって貰いました！夢主ちゃんの変化に気付いて頂けて嬉しいです！彼女は何も告げずに煉獄さんと一度さよならしたことを後悔しているので、気持ちに素直になり始めてます！ (2021年1月19日 20時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
莉子(プロフ) - こんにちは＾＾この作品大好きで、煉獄さんがずっと一途に想っている設定が凄く合ってて、世界観にどっぷり浸かれちゃいます！なかなかすれ違いが長かったので、こうやって両想いになれて本当嬉しいです（ ; ; ）幸せ！夢主ちゃんも少し変わってきましたよね！ラブラブ (2021年1月19日 19時) (レス) id: da7568f49d (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - 和葉さん» コメントありがとうございます！このあと二人がどうなっていくか、ぜひ楽しみにしていて下さい(^^) (2021年1月15日 19時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月見 | 作成日時：2021年1月3日 14時
