85.食欲 ページ36
「ん〜〜〜っ!美味しいっ!!Aさん凄いです!!!美味しすぎますっ!!」
「そ、それは、ありがとうございます………。千寿郎くんと一緒に作りました…」
夕方、稽古終わりの杏寿郎さんたちと夕飯を囲む。
私の隣に座る甘露寺さんはとっても美味しそうに肉じゃがを食べている。
今朝の杏寿郎さんや千寿郎くんのように褒められて、それ自体は凄く嬉しいのだが、驚くことに彼女は既にご飯も肉じゃがも三杯目なのだ。
「そうだろう!Aの作るものは何でもうまいぞ!」
言いながら食べ進める杏寿郎さん。
この二人は競いあっているのか?と思うぐらい、いい勝負で食べていた。
可憐に見える彼女の胃袋は一体どうなっているのか…………
驚きのあまり、箸を止めて思わずじっと見てしまう。
それは千寿郎くんも同じのようで、彼もぽかんと彼女を見ていた。
「おかわり!」
「おかわりおねがいします!」
「えっ!あ、はいっ!!」
同時に茶碗を渡された私はあたふたする。
これは大変だ。
このままだとご飯が足りない!
明日からはもっと多めに作らなくては!!
そう思いながらご飯をよそう。
「あの………まさか、こんなに沢山食べていただけると思ってなくて………今日はもうこれで最後です」
二人におかわりを差し出すと二人して目を丸くする。
直後、甘露寺さんが額に汗を浮かべて青ざめたように視線を落とした。
「私ったら…!つい、ごめんなさいっ!!!」
ばっと頭を下げるから、何故そんなに謝るのかしら?と少し疑問に思いながら声をかける。
「いえ。作ったものを褒めて貰えて嬉しいです。稽古でお疲れでしょうし、明日からはもっと沢山用意しておきますから、遠慮せず食べてください!」
彼女の肩にそっと手を置くと大きな瞳が揺れていた。
そして少しだけ恥ずかしそうにすると「ありがとうございます!」と明るく頷いてくれた。
324人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
月見(プロフ) - 莉子さん» コメントありがとうございます!可愛い女の子の弟子が気になって嫉妬しちゃう夢主ちゃん。私もきっと妬いちゃうなと、思いながら書いてました!このあとの展開を楽しんで頂ければ嬉しいです(^^) (2021年1月27日 20時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
莉子(プロフ) - またまたコメント失礼します!夢主ちゃんの気持ち分かる〜( ; ; )婚約者になっても一緒に居られる時間少な過ぎて、もっとラブラブして欲しいですねぇ!私も絶対甘露寺ちゃんに妬いちゃうと思う。。あんなに可愛いし笑二人の絡みがもっと欲しいです!( ´ ▽ ` ) (2021年1月27日 19時) (レス) id: da7568f49d (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - 莉子さん» コメントありがとうございます!煉獄さんは簡単に意見や思いを曲げない人だと思ったので、一途になって貰いました!夢主ちゃんの変化に気付いて頂けて嬉しいです!彼女は何も告げずに煉獄さんと一度さよならしたことを後悔しているので、気持ちに素直になり始めてます! (2021年1月19日 20時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
莉子(プロフ) - こんにちは^^この作品大好きで、煉獄さんがずっと一途に想っている設定が凄く合ってて、世界観にどっぷり浸かれちゃいます!なかなかすれ違いが長かったので、こうやって両想いになれて本当嬉しいです( ; ; )幸せ!夢主ちゃんも少し変わってきましたよね!ラブラブ (2021年1月19日 19時) (レス) id: da7568f49d (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - 和葉さん» コメントありがとうございます!このあと二人がどうなっていくか、ぜひ楽しみにしていて下さい(^^) (2021年1月15日 19時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:月見 | 作成日時:2021年1月3日 14時