68.また私だけ ページ19
「娘さんを連れ戻りました！」
居間に煉獄さんと並んで座った私。
家族を前に正座し「只今戻りました」と頭を下げる。
家に着いて玄関を開けたとき、凄くホッとした。
鉢合わせた母が私を見て一瞬固まって、それから泣きながら抱き締めてくれた。
それで、漸く帰ってきたんだ…と実感して、私もつられて少し泣いてしまった。
今もまだ母の目が潤んでいる。
凄く心配を掛けたんだと、心が痛くなる。
「あちらの家とは話がついているので、もう何も心配することもない！」
煉獄さんが大きな声で言えば、家族全員が安堵のため息を漏らした。
「煉獄様、ありがとうございます！娘を連れ戻すだけでなく、また鬼から救っていただいたようで、なんとお礼をすれば良いか………」
「俺の責務を全うしたまで！気にすることはありません！！」
「煉獄様が居てくだされば安心ですね」
静子さんがにこっと笑う。
「あの、それでもうお話はしました？」
母が遠慮がちに煉獄さんを覗き込む。
「まだだが、確認はできたので！これからです！！」
「そう。………では、これからも娘をよろしくお願いします」
「うむ。承知した！」
にこにこと家族が笑ってる。
え、なに？何なの？
「ねぇ、なんの話？」
聞いてもにこにこするだけで誰も何も教えてくれない。
何だろう。
なんだかまた私だけ知らないことがあるみたいだ。
それから少しお茶を飲みながら話した後、まだ昼前だったので静子さん以外の家族は仕事に戻った。
最近の静子さんは居間で針仕事をして過ごすことが多いみたいだった。
私と煉獄さんは昨晩の夜中から寝ずに帰宅したので休むように言われた。
とりあえず、向こうの御屋敷では着替えだけ済ませて来た状態だったので、お腹が空いたこともあり軽くご飯を食べる。
煉獄さんのことは家族がおもてなししてくれるとの事だったので、私はそのままお風呂に入った。
久しぶりの自宅での湯浴みはやっぱり心地いい。
足の裏の傷が染みたので、長居はできなかったけれど、鬼から逃げ回るのに沢山走ったり、地面を転がったりと、土を沢山被っていたのでさっぱりする。
濡れた髪をタオルでしっかり拭いて、そのまま髪を頭の上にくるみ上げた。
寝巻きを着て脱衣場を出ようとしたところで鏡が目に入る。
首筋と鎖骨の少し上の辺りに痣がくっきり浮かんでいるのが見えた。
ハッとして寝巻きの合わせをきゅっと引っ張る。
けれど、流石に首筋のそれを隠すことはできなかった。
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月見(プロフ) - 莉子さん» コメントありがとうございます！可愛い女の子の弟子が気になって嫉妬しちゃう夢主ちゃん。私もきっと妬いちゃうなと、思いながら書いてました！このあとの展開を楽しんで頂ければ嬉しいです(^^) (2021年1月27日 20時) (
レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
莉子(プロフ) - またまたコメント失礼します！夢主ちゃんの気持ち分かる〜（ ; ; ）婚約者になっても一緒に居られる時間少な過ぎて、もっとラブラブして欲しいですねぇ！私も絶対甘露寺ちゃんに妬いちゃうと思う。。あんなに可愛いし笑二人の絡みがもっと欲しいです！( ´ ▽ ` ) (2021年1月27日 19時) (レス) id: da7568f49d (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - 莉子さん» コメントありがとうございます！煉獄さんは簡単に意見や思いを曲げない人だと思ったので、一途になって貰いました！夢主ちゃんの変化に気付いて頂けて嬉しいです！彼女は何も告げずに煉獄さんと一度さよならしたことを後悔しているので、気持ちに素直になり始めてます！ (2021年1月19日 20時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
莉子(プロフ) - こんにちは＾＾この作品大好きで、煉獄さんがずっと一途に想っている設定が凄く合ってて、世界観にどっぷり浸かれちゃいます！なかなかすれ違いが長かったので、こうやって両想いになれて本当嬉しいです（ ; ; ）幸せ！夢主ちゃんも少し変わってきましたよね！ラブラブ (2021年1月19日 19時) (レス) id: da7568f49d (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - 和葉さん» コメントありがとうございます！このあと二人がどうなっていくか、ぜひ楽しみにしていて下さい(^^) (2021年1月15日 19時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月見 | 作成日時：2021年1月3日 14時
