60.予知 ページ11
煉獄さんは知ってるかな。
蓮華から”華“を取ると“蓮”になる。
蓮の花言葉は色々あるけれどその中に『離れゆく愛』と言うものがある。
別れるときは、相手が逃げ出すような女に。
私はそんな女になれたかな。
私が家を出てひと月。
そろそろ私の事、返事を返さない酷い女と思ってくれてる頃？
それとも心配してくれてる？
私の事は忘れてくれていいですからね。
そう思うのに。
…………駄目だなぁ。
私は忘れるどころか、逢いたくて仕方ない。
その時、ガシャンとあの時のように何が割れる音がした。
少し遠い。
台所からかしら？
でも、こんな夜中に？
そっと襖を開ける。
外を見る限り風は吹いてなさそうだった。
音のした方角に歩みを進める。
暗い廊下はいつもより不気味に感じた。
さっきの音で使用人も数人起きたようだ。
「私たちで確認しますからA様はお部屋にお戻りください」
「でも…」
何だかざわつく。
「戻りましょう」
いつの間にか隣にいたハルちゃんが私の袖を引いていた。
言われた通り、ハルちゃんと手を繋いで部屋に戻る。
「何か飛んで来たんでしょうかね？」
ハルちゃんが聞いてくる。
「どうかな………」
嫌な夢を見たせいで落ち着かない。
「A様、またお顔の色が悪いみたいですけれど、大丈夫ですか？」
その言葉にハルちゃんを見る。
小さい子に心配を掛けてしまう程までに不安が顔に出ているらしい。
「大丈夫だよ」と笑い掛けて部屋の前に到着した。
ピタリと私の歩みが止まる。
「A様？」
不思議そうにしているハルちゃんの手をぎゅっと握る。
廊下の奥で何かが動いた気がした。
気にしすぎかな？
気のせい。
そう思った時、ギシッと床を踏む音が聞こえた。
どくん、どくんっと緊張で胸が大きく音を立てる。
ハルちゃんが手を繋いでない方の手で私の腕にぎゅっとしがみついた。
「稀血ィ…、見つけた」
頭が天井に付きそうな程、背が高くて大きな体をした生き物がひたひたと歩いてくる。
それに合わせてゆっくり後ずさる。
先程まで見ていた夢は予知夢だったのかもしれない。
私のせいかな。
私が稀血だから。
匂いに誘われて………
「A様っ………！」
震えるハルちゃんが私の名を呼ぶ。
「大丈夫、大丈夫だから………きっと鬼狩り様が助けてくれる。………ハルちゃん、走れる？」
「…は、はいっ！」
返事を聞いた直後、私は庭に繋がる窓を開けて外に駆けた。
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月見(プロフ) - 莉子さん» コメントありがとうございます！可愛い女の子の弟子が気になって嫉妬しちゃう夢主ちゃん。私もきっと妬いちゃうなと、思いながら書いてました！このあとの展開を楽しんで頂ければ嬉しいです(^^) (2021年1月27日 20時) (
レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
莉子(プロフ) - またまたコメント失礼します！夢主ちゃんの気持ち分かる〜（ ; ; ）婚約者になっても一緒に居られる時間少な過ぎて、もっとラブラブして欲しいですねぇ！私も絶対甘露寺ちゃんに妬いちゃうと思う。。あんなに可愛いし笑二人の絡みがもっと欲しいです！( ´ ▽ ` ) (2021年1月27日 19時) (レス) id: da7568f49d (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - 莉子さん» コメントありがとうございます！煉獄さんは簡単に意見や思いを曲げない人だと思ったので、一途になって貰いました！夢主ちゃんの変化に気付いて頂けて嬉しいです！彼女は何も告げずに煉獄さんと一度さよならしたことを後悔しているので、気持ちに素直になり始めてます！ (2021年1月19日 20時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
莉子(プロフ) - こんにちは＾＾この作品大好きで、煉獄さんがずっと一途に想っている設定が凄く合ってて、世界観にどっぷり浸かれちゃいます！なかなかすれ違いが長かったので、こうやって両想いになれて本当嬉しいです（ ; ; ）幸せ！夢主ちゃんも少し変わってきましたよね！ラブラブ (2021年1月19日 19時) (レス) id: da7568f49d (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - 和葉さん» コメントありがとうございます！このあと二人がどうなっていくか、ぜひ楽しみにしていて下さい(^^) (2021年1月15日 19時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月見 | 作成日時：2021年1月3日 14時
