50.訪ねる ページ1
任務に出る直前。
「兄上、Aさんから届いてますよ」と千寿郎から渡された文を出掛ける前に確認する。
相変わらず綺麗な字がそこには並んでいて、愛おしさが込み上げてくる。
何よりも彼女の文はとても読みやすい。
いつもの様に読み進めて、最後の一文を見つけた途端、鼓動が早くなる。
「よもや！」
大きな独り言が部屋の中に響いた。
この約三ヶ月の間に彼女と交わした文はもう少しで十通目になろうとしていた。
ずっと文通を続けてきたが、毎回“逢いたい”の文字を入れても、それには触れられることなく返事が返っていた。
だからだろう。
“私も逢いたいです”
その一言に気分が舞い上がる。
どういった風の吹き回しか、初めて逢いたいと書かれていたのだ。
仕方あるまい。
ふむ、次の休みにでも訪ねてみようか。
返事には何も書かずに突然訪ねたら彼女はきっと驚くだろう。
頭の中であれこれ想像しながら、一旦文を片付けて刀を取ると任務に出た。
＊＊＊＊＊
彼女へ返事を送ってから二週間が経とうとしている。
いつもならとっくに届く返事が中々来ない。
そういえば、冬になってから忙しくなったと書かれていたな、と思い返す。
お兄さんの奥さんに子が出来たことで、忙しない日々を送っているのかもしれない。
休みに彼女を訪ねるつもりだったが、生憎急な任務が入り実行出来ないでいた。
もしや、また風邪でも引いて寝込んでいるのだろうか？と心配になってくる。
返事がないので、こちらから文を出そうかとも考えたが彼女からの最後の文を思い出す。
いつも通り、なんら変わらないものだった。
けれど、それは最後の一文を除いての話だ。
“私も逢いたいです”
そしてもう一つ。
些細なことだが消印が違っていた。
あれは隣町から出されている。
何かあったのかもしれない。
そう考えて、文を書くのをやめた。
直接確かめに行く！
そう決めて暫く経った頃、漸く休みが取れた俺は彼女の民宿へ出掛けた。
町に入って以前二人で並んで歩いた通りを行けば、「あんた！」と店先から声をかけられる。
「前にAちゃんと来てくれた兄ちゃんだろ！！」
「あぁ、そうだ！」
返事をすればこちらまでやってくる店主。
何故か怒ったような顔をしている。
「今まで何してた！Aちゃん連れてかれちまったぞ！！」
その言葉に目を見開く。
「詳しく聞かせてくれ！！」
驚いた勢いのまま詰め寄った俺に店主は話を聞かせてくれた。
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月見(プロフ) - 莉子さん» コメントありがとうございます！可愛い女の子の弟子が気になって嫉妬しちゃう夢主ちゃん。私もきっと妬いちゃうなと、思いながら書いてました！このあとの展開を楽しんで頂ければ嬉しいです(^^) (2021年1月27日 20時) (
レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
莉子(プロフ) - またまたコメント失礼します！夢主ちゃんの気持ち分かる〜（ ; ; ）婚約者になっても一緒に居られる時間少な過ぎて、もっとラブラブして欲しいですねぇ！私も絶対甘露寺ちゃんに妬いちゃうと思う。。あんなに可愛いし笑二人の絡みがもっと欲しいです！( ´ ▽ ` ) (2021年1月27日 19時) (レス) id: da7568f49d (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - 莉子さん» コメントありがとうございます！煉獄さんは簡単に意見や思いを曲げない人だと思ったので、一途になって貰いました！夢主ちゃんの変化に気付いて頂けて嬉しいです！彼女は何も告げずに煉獄さんと一度さよならしたことを後悔しているので、気持ちに素直になり始めてます！ (2021年1月19日 20時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
莉子(プロフ) - こんにちは＾＾この作品大好きで、煉獄さんがずっと一途に想っている設定が凄く合ってて、世界観にどっぷり浸かれちゃいます！なかなかすれ違いが長かったので、こうやって両想いになれて本当嬉しいです（ ; ; ）幸せ！夢主ちゃんも少し変わってきましたよね！ラブラブ (2021年1月19日 19時) (レス) id: da7568f49d (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - 和葉さん» コメントありがとうございます！このあと二人がどうなっていくか、ぜひ楽しみにしていて下さい(^^) (2021年1月15日 19時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月見 | 作成日時：2021年1月3日 14時
