この世界は不条理で。50 ページ4
弔「さっき、『お別れだ』とか抜かしてたのに『次』もないだろ」
A「あ、それもそうか」
綿に消毒液を染み込ませて、傷口に当てた
A「ねぇ、ヒーロー殺し『ステイン』」
奴は眉を動かし、こちらの出方を伺っていた
傷口にガーゼを当てて包帯を巻きながらにこやかに言った
A「保須に帰れ、戻してあげるから」
ｽﾃｲﾝ「言われなくても、そうするつもりだ」
………一々、癪に障る奴だ
まあ、先生に免じて命は残しておいてあげるけど
A「黒霧、ワープ作って送るよ」
黒霧「しかし…！」
A「弔は、あっちの方で消毒するから」
弔「………あぁ」
黒霧は何かを言いかけたものの『わかりました』と呟いた
ワープを潜ると見慣れない景色が広がった
………うん、消毒したら帰ろう((
A「服切るよ」
その言葉に弔は頷き、座った
ヒーロー殺しの言葉は自然と僕の耳へとは入ってこなかった
それほど、興味が無い思想ということなんだなと自己解釈をしながら治療を続けていた
傷は深く、何故か悔しくて思わず手が止まった
黒霧「…私がやりますか？」
その質問に、僕は『大丈夫』と呟いて丁寧に傷口を消毒した
黒霧の時みたいにガーゼを当てて、包帯を少し強めに巻き付けた
自身のパーカーを脱ぎ、弔に被せた
A「ぶかぶかめに買ってきたやつだから、弔にはぴったしかもしれないからあげる」
一つため息をついて、視線を上げるといつの間にかヒーロー殺しはいなくなっていた
…まあ、居たって居ない存在だってみなすけど((
A「……んじゃぁ、帰るか」
黒霧「もうお帰りになるんですか？」
A「無様な姿見たいのは山々なんだけど…
パソコンとか放置して来たから、帰らなきゃね」
そう言うと、黒霧はワープゲートを作り出してくれた
弔「A」
黙っていた弔に呼ばれ振り返ると、『ありがと』と呟かれた
思わず鼻で笑って、『できることをしただけ』と返しワープゲートに入り込んだ
散らかしたままの救急箱や椅子とかきちんと並べる
救急箱を閉め、テーブルの端へと置いた
………一応、見ておくか
自室へと戻り、新型のパソコンで街の防犯カメラをハッキングする
すると、たくさんの映像が一気に流れ始めた
既にヒーロー殺しは色々な防犯カメラに映っていて思わず呟いた
A「…やっぱり、ただの阿呆だ」
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ミリイ(灰崎信者)(プロフ) - ステイン様の小説も書いて欲しいです (2018年8月19日 19時) (
レス) id: 99fc6b4eef (このIDを非表示/違反報告)
松城美樹＠ねむちん(プロフ) - 漬け抹茶さん» コメントありがとうございます!少し読みやすさなど気にしていたので、意見が聞けて嬉しかったです。これからも、この小説をよろしくお願いします!!! (2018年8月13日 21時) (レス) id: a7834a998d (このIDを非表示/違反報告)
漬け抹茶(プロフ) - すごく面白くて読みやすいです！更新楽しみにしてます！ (2018年8月13日 19時) (レス) id: 64a5f6a1e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：松城美樹 | 作者ホームページ：https://twitter.com/matsushiro_m
作成日時：2018年8月4日 22時
