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A「誰と誰が"似ていない"って?」


中也に問いかければ、口が堅く閉ざされた。云う気もないってか、まったく。まぁ、



A「似てない方がいいよ。紅葉の『護る姿が瓜二つ』って言うのも、理解ができないけれど」



中也「…ッ姉さん、」


A「それより、中也。仕事は終わった?」



中也「………終わったっつーか、」


バツが悪そうに髪を弄り始める。
静かな空間が広がり、そんな中也の姿を見ていたら、
何となく察した。



A「…仕事、無くなったのね」


尾崎「姉弟水入らずに話したいこともあるじゃろ?
だから、前々から鴎外殿と計画をしていた。中也よ。
明日、お主は休暇になっておるから、ゆっくり休め」


ヒトは本当に驚くと声が出ないらしい。
黙って驚く中也に対して、言葉の意味を理解して頭を抱える私。
たかが無所属の私が帰ってきただけなんだけど。いや、
中也と一緒に居られるのは、本当に有り難い話ではあるんだけどね。


A「今日、中也の部屋に泊まっていい?」


中也「部屋は空いてるから、別に構わねェけど」


云い終えた後に鳴った腹の音。中也は知らない顔をしているが、
確実に鳴ったのは、中也の腹だ。



尾崎「まぁ、夜も更けてきているからのう…」


笑っているであろう口元を隠しながら笑う紅葉に、
中也は小さく『申し訳ありません』と呟いた。
顔を赤らめてる弟を撫でては、『ご飯でも行こうか』と誘えば、
嬉しそうな顔をするものだから、本当に愛おしい。


A「でも、久しぶりの日本だから、
中也が好きなところを教えてよね」


中也「紅葉の姐さんもどうです?」


尾崎「先刻も言ったが、姉弟水入らずで過ごせ。それに、(わっち)は仕事がまだ残っておる。
だから、気にするでない。」


A「あ、私のせいで仕事進まなかったよね。ごめん…」



紅葉「………謝って欲しくて言った訳じゃない。(わっち)たち、
ポートマフィアの人間は、何時死んでも可笑しくはない。だから、」



A「そう言われたら、私はご飯を食べたいよ。紅葉たちとも」



私の返答が想定外だったのか、悲しく笑っては、
『今度、(わっち)たちとも一緒に行こう』と云ってくれた。


A「約束だから」


尾崎「あぁ、約束じゃ」


『姉さん』といつの間にか旅行鞄を持った中也に声を掛けられて、『今行く』と伝えては、中也の後を追う。あ、


A「仕事邪魔した分は働くから言ってよね」



そう伝えると、『さっさと行かんか』と怒られた。
解せぬ。

13→←11*Chuya Side



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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 太宰治 , 中原中也   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:松城美樹 | 作成日時:2022年5月29日 22時

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