【MHA】楽しき日和、虚偽の心情[完結] (ページ22)

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＿＿＿＿＿＿＿＿決勝戦

指定された陣地で一旦待機していると、始まりのブザーが鳴り響いた

予想通り、大声は出して来なかった

敵に居場所を覚られるような真似は避けたいだろう

それに、相手が私たちだと言うのもあると思う

相澤「どっちだと思う…」

A「私だと、高い所で敵の動きを見たい

でも、それってデメリットにしかならないと思う

私が遠距離戦が得意とするから尚更ね」

相澤「じゃあ、どう動く？」

A「とりあえず、音を聞いて考えてみればいいんじゃん？」

聴覚がある訳だし…

思い切り、個性で風を吹き荒らすと微かに空気が濁っているような気がした

A「……多分、もう潜ってる」

相澤「ここ危ないな

相手の遠距離は、ひざしのあの個性くらいだ

接近戦は俺の得意分野だし、一先ずあの崖の上に行くか」

相澤「じゃあ、集合ってことで」

左右別々に分かれて、崖の上を目指した

もちろん、周りを気にしながら移動をしたものの追ってきている気配も見ているような感じもなかった

数分で崖に着くと既に消太はそこにいた

相澤「遅い」

A「武器でアンタは移動したんでしょうが…

私は足で移動したんだけど」

相澤「とりあえず、これを見ろ」

A「ここで潜った跡か…

多分、これは偽物だろうね

潜っただけなら、こんなに土は出てこない」

相澤「それもそうだ」

さて、敵をどうやって誘き出そうか…

一瞬、鳥たちの鳴き声が消えた

来る＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

そう思って、自分の耳ではなく消太の耳を押さえた

案の定、予測通りでひざしの叫び声が響き渡った

……流石に何度も鼓膜を破っているせいか強くなったみたいで声が消えたと同時に手を放した

相澤「大丈夫だったか…！？」

いつもより心配そうに話しかけてくる消太に驚きつつ『大丈夫』と返した

A「一回、確認した方が良いかもね」

相澤「…だな」

周りを確認しようと崖近くに足を踏み入れるとパラパラと落ちていく崖屑

何故か崩れやすく、嫌な予感がした

A「…ｯ消太！！！」

既に落ち始めていて、この高さだと命にも関わる

捕縛武器が宙を舞っていて、それしかないと悟ると消太の方も理解したらしく

捕縛武器を首から外し、私を信じている様に思えた