きっとカロリーメイト ページ1
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今日も疲れた。
泥のように眠りたい。
重い足を引きずって、
家への道を進む。
学校帰り、あたりは真っ暗だ。
墨染めされたような黒い空。
見上げて星を数える気にもならない。
田舎というには街灯がまぶしく、
都会というにはいささか不便なこの町。
空を見上げたところで
見つけられるのは、
２つ３つの星が限界であろう。
『おなかすいたなぁ…』
ぼそ、と口から言葉がこぼれた。
現在私の頭を占めているのは、
空腹、
疲労、
睡眠欲。
この３つだけだ。
間違っても、
今日の部活の反省なんて頭にない。
顧問が腹下して、明日の部活休みにならないかなぁ。
なるわけないけど。
きっと私は、帰宅してすぐに風呂に入るだろう。
そして確実にそのまま寝てしまう。
んで、つらい空腹にのたうち回って深夜に目が覚め、
カップ麺を胃に流し込んで二度寝をかます。
翌朝は、眠い目をこすって早くに家を出て、
早朝練習に行かねばなるまい。
もちろん朝ごはんを食べる余裕なんてないので、
カロリーメイトを授業中に咥えるだろう。
…我ながら、
なんとも不健康な生活である。
ーーーどうしてもこの高校に通いたかった。
だから親に無理を言って独り暮らしを始めた。
中学時代は、
親のありがたみなんて感じたことはなかった。
しかし今となっては親様様である。
当時、ごはん用意してくれたり、
朝起こしてくれたことへの感謝はしてもしきれない。
そして今も本当に感謝している。
いつもお金送ってくれてありがとう。
全て家賃とカップ麺に消えてるよ。
いつもと同じ時間、
いつもと同じ疲労感。
いつもと同じ道。
そのはずなのに…
『…なんだろう、あの光。』
神社の横の細い道から、
ぼんやりと明かりが漏れていた。
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作者名：まつくぐり | 作成日時：2023年4月30日 21時
