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毎日 ページ1

「おはよ」
2階から、リビングへ。お母さんが作った朝ごはんの匂い。席についた。1人分多い。きっと…。
「お母さん…。」
「あ…今朝はパンよ」
さくり。さくさく。パンを食べる音だけが響く、静かすぎるリビングに耐えきれなかった私はテレビを点けた。
『連続失踪事件、本件で9件目です。被害者の名前は…』
ぷつりと画面が消えた。
「食事中にテレビは駄目よ」
そのまま食べ続け、いつもと同じ時間に食べ終わった。いつも通り自分の分を用意し、いつも通り妹の席の隣に妹のランドセルを用意する。
「ほら、急がないと遅刻す…」いつも通りに言いかけて言葉を飲み込んだ。

妹はもういない。
何回も確認させられた。
でも、まだ受け止められない。
『行ってきます』
ただいまは聞けなかった。
妹は連続失踪事件の4番目の被害者だ。
3日前、忽然と消えた。
生存は絶望的だと見られている。
帰ってきて。お願い。

零れ落ちた涙を掬い、いつも通り、仏壇の前に座る。
「お父さん、行ってきます。」
癌で半年前、居なくなった。
お父さん、妹。立て続けに2人失った。
最後は1人になるのだろうか。

小さくなったランドセルを背負い、いつも通り声をかける。
「行ってきます」
隣から元気な声は聞こえない。
髪をかきあげる癖のあった妹。
元気な妹。
たまに生意気だった妹。
その妹は、もういない。
また落ちそうな涙を拭い、ドアを開けた。

神社→


行っちゃだめな場所

神社


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子狐紗由理(プロフ) - 花飛鳥momo★さん» 殺人現場はあまりありませんからね。そしてこれはフィクションなので安心してください! 読んでいただきありがとうございました! (2016年7月23日 19時) (レス) id: b2ba04621c (このIDを非表示/違反報告)
子狐紗由理(プロフ) - 東 茉莉花茶さん» そう言っていただけると製作者冥利に尽きます! 読んでいただきありがとうございました! (2016年7月23日 19時) (レス) id: b2ba04621c (このIDを非表示/違反報告)
子狐紗由理(プロフ) - 弱井さん» フィクションです! 安心してください! 私もこんな事に遭ってないので大丈夫ですよ! 読んでいただきありがとうございました! (2016年7月23日 19時) (レス) id: b2ba04621c (このIDを非表示/違反報告)
花飛鳥momo★ - 神社なんてもう行けない…!なんで読んじゃったんだろ…。殺人現場も行けないよ…!てかもともと行かないか…!← (2016年7月23日 9時) (レス) id: d2ced67736 (このIDを非表示/違反報告)
東 茉莉花茶 - こ、怖ええ…ともかく怖かったです… (2016年6月9日 22時) (レス) id: 1e7077a0ad (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:子狐紗由理 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/datatwitteruse/  
作成日時:2015年10月8日 22時

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