記憶の在り処【HxH】 (ページ9)

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『(それにしても…)』

この船にはハンターを目指している人間が十数人乗っているという事もあり、重々しい雰囲気を醸し出している。
Aのような女性も珍しく、彼女に向けられる視線が痛かった。

『(ゴンは外に出ちゃったし、私は休んでおこうかな)』

Aはゆっくり目を閉じた。

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「………て！」

『うーーん…？』

「A！！起きて！！」

『んー…ゴン…？どうしたの…？』

「船長が船室に来いってさ！」

『ん？どういう事…？ていうか…』

ゴンに起こされ目を覚ましたAが辺りを見回すとそこには先程まで沢山居た人が殆どいなくなっていた。

『さっきまでいた人達は…？もう着いたの…？』

「ううん、出て行っちゃったんだ。Aが寝てる間に嵐が来たんだ」

『えっ、嵐？』

「うん、それで殆どの人が船酔いでやられちゃって…また同じような嵐が来るからボートに乗って脱出しちゃったんだ」

『そ、そうなんだ…』

というか寝ている間に嵐が来ていたのか…。デジャヴを感じるような…。

「とりあえず早く行こう！」

そう言うとゴンはAの手を引っ張り船室へ向かった。

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「残ったのはこの4人か…」

船長と思われる人物が口を開く。
Aとゴン以外にも2人、嵐の中無事だった物がいた。
1人は金髪の中性的な青年。もう1人はスーツの似合う背の高い中年男性。

「名を聞こうか」

その一言で4人が次々に名乗る。
金髪の青年はクラピカ、背の高い中年男性はレオリオというらしい。

「お前ら何故ハンターになりたいんだ？」

「おい、偉そうに聞くもんじゃねーぜ。面接官でもあるまいし」

「いいから答えろ」

「何だと？」

レオリオが船長に突っかかる。

確かに突然質問に答えろと言われてもプライベートな問題もあるだろうし突っかかるのも分かる。
まぁ自分は答えるぐらい訳ないが…。

「俺は親父が魅せられた仕事がどんなものかやってみたくなったんだ！」

「おい待てガキ！勝手に答えるんじゃねーぜ、協調性のねー奴だな」

「いいじゃん理由を答えるぐらい」

「いーやダメだね。俺は嫌な事は決闘してでもやらねぇ」

ここで堂々と答え言い返せるゴンは流石肝が座っているというか怖いもの知らずというか。

Aが内心感心していると隣に立っていたクラピカも答える。