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「おいおい何言ってんだよ…襲われてる現場を目撃しただろ?それにこの人の奥さんも攫われて…」

『うん。だけど妙にタイミングが良すぎたと思わない?まるで私達が来るのを待ち構えていたような…』

「ど、どういう事だ…?」

『さっきね、クラピカがあの魔獣は人に化ける事も出来るって言ってて思い出したの』

「人に化ける?!」

『文献で読んだ事あるんだけど、魔獣の中には仲間で手を組んで人に化けて、さっきみたいに襲われているフリをする奴らもいるの。それで人間を嵌めて襲うのよ』

『さっきは突然の出来事で焦ったけど、冷静に考えれば私達が入る前妙に静かだったし、これだけ部屋が荒らされていれば近くに来た時点で物音に気付くはずよ。特にここは森の中で周りも静かだから音が聞き取りやすい』

「ハッハッハ!」

「!!」


Aの推理を聞き終わると、突然男性が笑い声をあげる。
そして嬉しそうに自分の正体を明かした。


「お嬢ちゃんの言う通り!私は人間ではないよ!」

「マジかよ…」

『…それで、私達をどうするつもりだったの?』

「どうもしないさ、我々はナビゲーターだからね。君達を試していただけだよ」

「『!』」

「君達がここへ来る事は分かっていたからね、待ち構えていたんだよ」

「そういう事だったのか…まんまと嵌められたぜ…」


はぁ、と肩を落とすレオリオ。どうやら疲れている様子だが、それも無理はない。あの船の中からずっと試されているのだから。


「あとは追い掛けて行った2人が我々の正体に気付く事が出来れば合格だ」

「…あいつら大丈夫かよ」

『…大丈夫だよ。クラピカもゴンも、勘は鋭い方だと思うし…それにクラピカの方が私より絶対頭良いでしょ』


そう言うとAはイタズラっ子のような笑みを見せる。その顔を見てレオリオの心配も一瞬にして晴れた。





「確かに、違いねぇな」

『ちょっと!そこは事実でも少しは否定するもんだよ!』

「お世辞は得意じゃねぇんだ」

『もう!』


二人の笑い声が重なる。
正体を明かしたキリコはその様子を楽しそうに見つめていた。

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作者名:抹茶パイン | 作成日時:2019年9月18日 18時

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