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そして間もない内に一軒の家に辿り着いた。
老婆の話ではどうやらこの家には試験会場まで案内してくれるナビゲーターがいるらしく、彼らのお眼鏡にかなえば会場まで案内してくれるという。
ここでも試される訳か…。
家の中は暗く、辺りに自分達以外の人の気配もない。
___コンコン
レオリオが扉を叩くも応答はなし。
『誰もいないのかな…』
「入るぜ___」
レオリオが静かに扉を開けた瞬間__
『「「！！」」』
「魔獣！！」
「キルキルキル…」
部屋の中には夫婦を襲う狐のような顔の魔獣が立っていた。
4人はすぐに戦闘態勢に入るも、
___ヒュン！
風のようなスピードで4人の間をすり抜き、魔獣は捕らえていた女性を連れて外へ逃げ出した。
『っ！助けなきゃ！』
「レオリオ、怪我人を頼む！！」
「任せとけ！！」
「森に逃げ込んだぞ！どっちへ行ったんだ…！」
『暗くて目で追いかけられない…！』
「あそこだ！！」
「！！」
『っ！』
ゴンの人間離れした動体視力が暗闇の中に逃げ去る魔獣を追う。
やっぱりゴンの身体能力は並じゃない…！
『(って、感心してる場合じゃない！)』
早く追いかけなければあの女性が危ない。
Aとクラピカは魔獣を追いかけるゴンの後を追う。
「その女性を放せ！」
「……腕ずくで取り返してみな！」
「！！」
「凄いや！アイツ喋ったよ！」
「人語を操れる獣を総称して魔獣と言うんだ！」
興奮するゴンに宥めるようにクラピカが説明する。
はしゃぐゴンを見て少し可愛いと思ってしまったのはここだけの話…。
「奴はキリコと呼ばれる変幻魔獣だ！人に化けることも出来る！」
『(人に化ける…？もしかして！)』
『ゴン！クラピカ！後は任せた！』
「！！」
「A！？」
_____________________
___バンッ！
『レオリオ！！』
「！？Aちゃんか…どうしたんだ？」
息を切らし慌てた様子で現れたAにレオリオは動揺する。
一体彼女はどうしたというのか。
『………』
「Aちゃん…？」
未だ息を切らしながらもAは無言で、レオリオが治療を施している男性をじっと見つめる。
すると彼女はゆっくりと口を開いた。
『あなた、本当にあの魔獣達に襲われたの…？』
「！？」
「………」
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作者名：抹茶パイン | 作成日時：2019年9月18日 18時
