嘘つきのライオン (ページ27)

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松「荒れてるけど‥どうぞ！」

ドアを開き玄関に招き入れられる

『おじゃまします‥』

恐る恐る中に入ると、アロマの良い香りが鼻を掠めた
　

　
カードキーをシューズボックスの上に置き、靴を脱いだまつくが部屋の中に入って行く
二度目のおじゃましますを言ってから、私も靴を脱ぎ部屋へ上がらせてもらった

荒れてると言ってたわりには、シックな整頓された部屋でテレビの横にはギターが立て掛けてある
まつくのギターが生で見れて私は内心興奮していた
もちろん顔には出さないように。

　
松「適当に座って！なんか飲む？お茶と水しかねぇけど(笑)」

　

『じゃあお茶で』

松「ちょっと待ってて！」

まつくがキッチンに行ったので、ソファーに座らせてもらった
フカフカして気持ちが良い

松「はい、どーぞ」

　

黒いマグカップにお茶を入れたまつくがリビングへ入ってきて、私の目の前のテーブルへ置いた

『ありがとう！いただきます！』

コップに口を付け喉に流し込むと冷たくて美味しかった
普通のお茶なんだろうけど、自分で入れたものより何倍も美味しく感じる

　
カーペットの上に胡座をかいて座ったまつくは、スマホを少し弄ってからテーブルの上に置いて私の顔を見るも何も言わない
少しだけ静寂な時間が流れたかと思えば、

松「えーっと‥‥元気？」

半笑いで言った

私は何だか可笑しくなって自然と笑みが溢れる

『‥それ二回目(笑)』
　

　