壁をブチ壊せ！�� ページ19
「ってェ・・・」
窪谷須くんが私を庇うように覆いかぶさった。
そして本来私の頭に落ちたであろう鉄パイプ、それをもろに頭で受けた窪谷須くんは、苦しそうに呻き声をあげている。
「く、窪谷須くん！」
私は怖くなり泣きながら両手で傷口を抑えた。
私のこと庇ってくれたの？
「ぃって・・・・A怪我してねーか？」
「窪谷須くんが庇ってくれたから私は大丈夫！」
「そうか」
頭から血をダラダラと流している当の本人が安堵の顔をしているのだ。私が冷静でいられない。
なんで・・・なんで私なんかの心配してるの。
「それより救急車呼ばなきゃ・・あっ！さっきここにきた救急車を！」
「馬鹿、やめろ、隠れた意味ねーだろが」
「でも頭から血出てるんだよ！？」
「情けねぇなぁクソッ、救急車はいいからよ・・・側にいてくれや」
力なくその場に座り込む窪谷須くん。髪をかきあげ、頭から流れる鮮血に舌打ちをしていた。
そんな姿を見ていられなくなった私は、羽織っていたカーディガンを止血代わりに窪谷須くんの頭に当てる。
「血の臭い、取れなくなってもしんねーぞ？」
「そんなのどうでもいい、窪谷須くんが助かればそれでいいから」
このまま血が止まらなくて出欠多量で死んだらどうしよう。そう思うと涙が止まらなかった。
嫌だ、そんなの・・・
「なに泣いてんだよ」
窪谷須くんは呆れたように笑った。
「本当にお前は・・・普通の奴はよぉ、俺みてーな奴にいちいち構わねぇーんだよ、普通はビビって近づいてこねーし、距離置いてくもんなんだよ・・・でもお前は・・・
変わってるわマジで」
「窪谷須くんだって、私なんかのこと助けて、こんな血だらけになっても自分のことじゃなくて人の心配して、おかしいよ、窪谷須くんのほうが変わってる」
「なんでだろうな・・・お前、だからかな？」
窪谷須くんはフッと笑って私の頭を撫でた。笑顔、久々に見た気がする。
ずるいよ、窪谷須くん・・・
そんな顔見せられたら、そんなこと言われたら・・・
頭の中が窪谷須くんでいっぱいになる。
早く血が止まってほしい。
でもこの2人だけの時間をもっと長く過ごしたい。
そう思う私はワガママなんだろうね。
「あーあ、こんなに遅くなっちまって、親御さんになんて言い訳すんだよ」
「うーん、怪我してるワンコの手当てしてたって説明する！そこまで嘘じゃないでしょ」
「誰がワンコだコラ」
もう少しだけ、このままで・・・
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あひー - (`・∀・´)ﾌｧｲﾄ! (2021年3月26日 13時) (
レス) id: c62e9bede7 (このIDを非表示/違反報告)
mayukun(プロフ) - 、さん» ありがとうございます！ただいま作成中ですのでもう少々お待ち下さい！ (2018年3月9日 7時) (レス) id: 50657492af (このIDを非表示/違反報告)
、 - この作品好きです！更新頑張ってください！亜蓮様様 (2018年3月8日 15時) (レス) id: 38612e749b (このIDを非表示/違反報告)
mayukun(プロフ) - ゆーさん» コメントありがとうございます！不器用だけど一途な窪谷須くんを表現したかったので、そう言ってもらえてめっちゃ嬉しいです(*^^*)私更新遅いのですごく申し訳ないんですが、更新頑張ろうと思えました！ありがとうございます(*^ω^*) (2018年2月28日 23時) (レス) id: 50657492af (このIDを非表示/違反報告)
ゆー - この小説、とても大好きです。窪谷須くんの不器用な感じとかすごく上手に表現してくれていて、更新が本当に楽しみです(*¨*) (2018年2月28日 22時) (レス) id: e5599beee2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mayukun | 作成日時：2018年1月10日 22時
