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壁をブチ壊せ! ページ15

下足室で機嫌が悪そうな窪谷須くんを見つけた。いつもそんなに早く登校するタイプではないが今日はいつも以上に遅かった。
この時間だと登校する人も疎らだ。


「おはよー、ってあれ窪谷須くん頰のそれどうしたの?」

「あ?なんでもねーよ、ただの返り血だ、朝から他校の奴らに絡まれて」

「うそ」

「っ!?」


指で血を拭き取るとじんわり滲みまたでてきた。これは窪谷須くん本人の血だ。


「切られたの?」

「振り回してきたレンガが掠っただけだ、たいしたことねーよ」

「保健室いこ?まだ予鈴まで時間あるし」

「いいってこんなもんほっとけば、それに保健室行ったらいろいろ面倒だろが」


喧嘩したり元ヤンだということはまだ周りの人たちに内緒なのだ。他校の人と喧嘩した事実はバレたくないのだろう。

じんわりと滲んだ血が痛々しい。


「やめろ」

私は傷の手当てをしようと手を伸ばしたが振り払われてしまう。

「お前には関係ねーだろ」
「でも血止まってないよ、私が絆創膏で

「関係ねーつってんだろ!!!」


ドスの効いた怒鳴り声。
空気がビリビリして震えだす。

窪谷須くんが喧嘩している時に聞いたことがあったけど、自分に向かって言われたのは初めてだ。

こんなにも怖いんだって足が小刻みに震える。

何も言い返せなくて、ただ唇を噛み締めた。涙を零さぬように一生懸命目に力をこめた。泣いたら窪谷須くんが悪いみたいになっちゃうし、それだけは嫌だったから。

・・・私のお節介だし。

辛そうな顔で去ろうとする窪谷須くんの服の裾を私は咄嗟に掴んでいた。


「!?」

「お節介でごめん・・・でもこれだけ貼らせて?」


背伸びをして窪谷須君の頰の傷に絆創膏を貼る。今度は手を払われることはなかった。


「・・・わりぃ・・言いすぎた」


窪谷須くんは私の目に溜まった涙を、ぶっきらぼうに指で拭き取り、苦しそうな声で囁いた。

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設定タグ:窪谷須亜蓮 , 斉木楠雄のΨ難   
作品ジャンル:恋愛
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あひー - (`・∀・´)ファイト! (2021年3月26日 13時) (レス) id: c62e9bede7 (このIDを非表示/違反報告)
mayukun(プロフ) - 、さん» ありがとうございます!ただいま作成中ですのでもう少々お待ち下さい! (2018年3月9日 7時) (レス) id: 50657492af (このIDを非表示/違反報告)
- この作品好きです!更新頑張ってください!亜蓮様様 (2018年3月8日 15時) (レス) id: 38612e749b (このIDを非表示/違反報告)
mayukun(プロフ) - ゆーさん» コメントありがとうございます!不器用だけど一途な窪谷須くんを表現したかったので、そう言ってもらえてめっちゃ嬉しいです(*^^*)私更新遅いのですごく申し訳ないんですが、更新頑張ろうと思えました!ありがとうございます(*^ω^*) (2018年2月28日 23時) (レス) id: 50657492af (このIDを非表示/違反報告)
ゆー - この小説、とても大好きです。窪谷須くんの不器用な感じとかすごく上手に表現してくれていて、更新が本当に楽しみです(*¨*) (2018年2月28日 22時) (レス) id: e5599beee2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:mayukun | 作成日時:2018年1月10日 22時

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