おはよう、お姫サマ。 ページ1
もぞ、と隣で動く気配がした。
みると、Aチャンが起きたようだった。
ずいぶんゆったりな目覚めだな。
くるりと体制を変えたAチャン。
ぱっと合った視線に思わずどきっとする。
「おはよ、Aチャン、お寝坊さんだなあ。」
動揺を隠すように俺はいつもの調子で声をかける。
するとAチャンは、くあ、と小さなあくびをした。
寝ぼけているせいか、焦点の合わない目でじっと俺を見つめてくるAチャンに心臓の脈拍数がどんどん増加する。
とろり、とたれた目はあくびのせいか涙がにじでいて、きらきら輝いている。
口の端からはだらしなくよだれが少したれていて、唇を潤わせている。
その色っぽい表情に動揺しつつ、俺は声をかけた。
「ほらほら、ちゃんと起きなよ?」
俺が声をかけると、Aチャンは、まだ寝たい、とでも言うように布団を被り直した。
「あっこらっ起きろよ!」
俺が笑いながら慌てて布団をはぐと、こっちをにっこり笑って見てるAチャンの姿があった。
ーなんだよ、可愛いすぎかよ。
俺は我慢できなくなって、そのままAチャンに抱きつくと、柔らかい感触と暖かい体温が伝わってきた。
拒絶されると覚悟していた俺だったけれど、スルッと受け入れられて驚いた。
するとそれだけでなく、あろうことかAチャンまで俺にくっついてきた。
ーなんだこの可愛い生物…
自分でしておいて俺の脈拍数はこれまでにないくらい上昇し、逆にAチャンを離せなくなってさっきよりも強い力で抱き寄せる。
Aチャンの体からは、女の子特有の、いや、Aチャン特有の、甘いいい香りが漂ってきている。
俺は髪を一束すくうと、その匂いと共にキスをした。
くすぐったそうに身を動かすAチャンを逃がさないように抱きしめたまま、調子にのった俺は、そのまま、普段は見えない、おでこ、首筋、鎖骨、とキスを落としていった。
たまらない、というふうに俺から離れようとするAチャンを抑え込むと、もう形勢逆転。
押し倒す形になって冷静にAチャンの顔をみると、真っ赤な顔をして、潤んだ瞳で俺のことをみていた。
ーもう、俺だめかも。
俺はそのまま、さらっとAチャンの服の中に手を忍び込ませると、Aチャンは覚醒仕切ったのか、更に顔を赤くして慌てている。
「おはよう、俺の可愛いお姫サマ。」
今日のおはようは?
「…おはよ、お前、猫みたいに寝るんだな」
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作者名:沢井 | 作成日時:2018年1月2日 15時