雪降る街の訳あり家族【橙】 (ページ3)

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3話ページ3

Yellow Side

兄さんの帰りが遅いから小学生のラウールは泣き出してしまうし、料理が冷めると穏やかな涼太も悲しそうだ。

大介も心なしか元気がない

亮平と翔太も連絡くらいよこせと苛立ってるし……

俺と蓮はとりあえず連絡をとって今の家の雰囲気が耐えれず部屋に戻る

家族大好きの兄さんのことだから連絡無しで遅くまでどこかほっつき歩くのも想像できないし、女関係も興味ないとか言って年齢＝恋人なし歴ってぐらいだ

｢はぁ、｣

とりあえずもう1回とダメもとで電話を鳴らす、

ｶﾞﾁｬ

｢っあ、兄さ｣

｢照、ごめん車出せる？｣

｢え、出せるけど…どうしたの雪そんな酷い？｣

｢いや、ちょっとひとりじゃ厳しくて｣

言葉のキレが悪い兄さんに違和感を覚えつつもとりあえず出せると返事をしてリビングに下りる。

｢連絡ついた、車出せって言ってるから行ってくるわ｣

みんなはほっとした表情で分かったと言って各自の行動を始めた。

兄さんから送られてきた位置情報を元に車を走らせる

白い風景の中に兄さんの黒色のコートが目立って見える

でも、それを着ているのは兄さんじゃなくて

｢誰？どうしたのその子｣

｢いや、助けた｣

｢助けたって……｣

兄さんの行動はたまに理解が追いつかない