Snow Orange 《Ⅲ》 (ページ7)

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Purple Side

照が康二を抱えて部屋から出てきた時みんなは涙を流した。

楽屋に連れて帰ると見える肌は薄く汚れ、うち傷が目立つ。

服を捲ればどす黒く黒くじた様子からだいぶ前からだったんだろうななんて

阿部と舘さんがスタッフさんのことを調べたらすぐに誰かわかったみたいで怒りを隠しきれない様子のふたりは話に向かった。

残りのメンバーで康二の手当をして、目が覚めるのを待っていた。

目が覚めたのは程なくしてからだった。

みんながわっと囲めばガタガタと体を震わせるから

｢みんな、ちょっと離れよ｣

だいぶトラウマになってるんだろうなって

俺達も酷いことしてしまってるし

｢康二、俺達のこと怖いか？｣

ソファに寝転ぶ康二の目線に合わせてしゃがんで距離をとったまま話しかける。

康二の瞳はうるうると潤み、キョロキョロと動く。

｢俺の事、すき？｣

康二の口から出たのはか細い声で

｢もちろん好きだよ｣

答えても瞳の不安は隠しきれていない

｢おれな……｣

康二が話そうとした時

後ろで黙っていた目黒の声が楽屋に響いた

｢俺は康二のこと、愛してるよ｣

普通なら小っ恥ずかしいそんなセリフ

それでも今は1番正解の言葉だったのかもしれない

康二の瞳が目黒を捉えて少し揺れたかと思えば、めめと小さな声で呟いて手を広げた

めめはそっと近ずいて康二を自分の腕の中に収める。

それに続くように佐久間もラウも康二に抱きつく

康二はそのあと病院に行ってちゃんと手当してもらったんだけど、俺たちから離れたくないって泣くもんだから

それから数日は康二の家や俺たちの家で一緒に過ごした

これからも康二を愛していこうと誓った出来事だった。

ーENDー