Bad Day Orange 《Ⅰ》 (ページ19)

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Green side

康二はあれからだいぶ頑張ってくれて、1年前芸能界を引退した。

踊りも歌も覚え直して覚え直してステージに立つ。

そんな康二を見て俺たちで出した答えが康二の引退。

康二は受け入れてくれたあとごめんなと謝った。

引退したあとも俺たちは会い続けていた。急な環境の変化は病気の促進に繋がる。

なるべく生活リズムや行動を変えないように、そして俺たちが忘れられないように

でも、

悲しい時間は必ずやってくる。

｢康二ー！来たよー！｣

玄関から大きめの声で来たことを伝えても反応がなく、不審に思いながら部屋の中に足を進めればベッドに寝転んだままの康二。

｢康二？｣

｢ん、…ｯ｣

目が覚めた康二は俺を目に撮した途端怯え出し、｢誰？｣そんなことを言った。

誰かと言われた時の対処法は知っている、康二のために病院に行って聞いた。

それでも、

｢ぼ、くはね、ｯ康二くんのお友達です。名前は阿部亮平ｯ…よろしくねｯ…｣

胸が苦しい。

自己紹介なんて、したくなかった。

目の前の康二はあべりょうへいと呟いて俺が差し出した手をそっと握る。

｢おれは、こうじ｣

｢うん、康二｣

短い挨拶。変わってしまった君。

｢みんなのことを忘れたないな｣

泣きながら言ったあの言葉。

グループLINEに今日のことを報告する。

涙で滲むその画面には今でも

SnowMan(9)

の文字が光っていた。

ーENDー