Bad Day Orange 《Ⅰ》 (ページ15)

今日:38 hit、昨日:55 hit、合計:251,336 hit

当たり前のことページ15

*拒食症

Red side

いつからだろうか康二が食べ物を口にしなくなった。

辛うじて水は飲んでいるもののあまり口にしたくないみたいでちびちび飲んではやめの繰り返し

ダンスレッスンの時ですらあまりに水の減りを見てみれば半分も減っておらず、そんなことが続いてある日の事だった。

｢ねぇ康二。食べるの怖い？｣

日に日に痩せていった康二はついには水でも拒否反応を起こし始めて、つい先日楽屋で戻してしまった。

みんなも康二が心配で病院を進めるものの康二の多忙さは想像していたよりも酷く病院に行く暇すらない。

テレビの露出が少なくなったと思えば雑誌の連載が。

雑誌の撮影が終われば次の打ち合わせに。

康二も康二で頑張っているのに、最近では嫌だ嫌だと食べのもを見るのも嫌がり始めた。

｢もう、いややねん｣

力なく呟かれた言葉の意味は多分戻したくない

そんな意味なんだろう

｢康二、俺の家泊まらない？｣

｢ごちそうとかせんでええんやで？｣

｢ただ康二とまだいたいだけだよ｣

｢…なら、おじゃまします｣

みんなから言われたこの計画。

大役だけど康二のためならって

家に着いて作ったのは簡易的なお粥。

自分にも同じものを作ってリビングテーブルに置くと康二は俺を見たままの目を潤ませた