Bad Day Orange 《Ⅰ》 (ページ1)

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優しい彼だからページ1

*過呼吸

Orange side

俺は小さい頃頑張りすぎると呼吸が苦しくなることが多々あったんや

やけど、それも大人になるにつれてだいぶ少なくなってきて最近じゃ全然大丈夫やったんに

｢ッはｯ｣

なんとなく息苦しくて送迎車の中で短く呼吸する今日は激しい運動とかもないし…

撮影とインタビューだけやからって油断しとったんがいけんかったんかもしれん

楽屋について挨拶をしながら入ればラウの周りに人が集まっとる。

｢なしたん？｣

｢あ、康二…ちょっとラウの調子が良くなくて｣

あべちゃんが困った顔して言うからラウの方に目を移すと顔色の悪いラウがギリギリ寝れているようやった。

｢撮影できそうなん？｣

｢やるって聞かないでやんすよ｣

いつも騒がしい佐久間くんも心做しか元気がなくて俺も自分のことなんてとうに忘れてラウの心配しかしていなかった。

撮影が順調に進み全体写真もだいたい撮り終えた頃ラウがガクッと膝をおって倒れた。

幸いにも隣にいた照にぃが支えてくれたから頭は打たんかったんやけど

｢はっ…ﾋｭｰ、ﾋｭｰ、はｯ｣

呼吸が不安定な音がする

｢ラウ、しっかり息吐いてぇや｣

背中を擦りながら対処していく、徐々にラウの呼吸が安定してきて照にぃとあべちゃんが医務室に連れて行った。

スタッフの方も十分取れているからと今日の仕事が終わってみんなが安堵の息を着いている時

｢ｯ…は、｣

ラウのにつられたのか呼吸がしずらい

ここじゃ迷惑になるそう思うのに上手いこと足が動かんくてみんなが楽屋に戻る後ろ姿を見ながら壁伝いにズルズルと座り込んだ