Snow Orange 《Ⅱ》 (ページ6)

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Black Side

泣き出した康二をふっかさんが抱きしめる。

｢だてさん。なんでこうなったの？｣

俺の横では照くんがだてさんを尋問中だった。

｢俺から別れを切り出した。別に良くない？俺たちの問題じゃん｣

いつになくだてさんは冷たかった。

そのせいかな…

｢何言ってんの？｣

俺はだてさんの襟首を掴んでソファに押し倒す。

康二があんなに泣いてるのに、なんでここまで冷徹でいられんだよ。

｢康二の気持ち分かってんの？それとも、分かっててわざとやったの？｣

敬語とか礼儀とかそんなの知らない。

康二を泣かせて、挙句の果てに俺たちの問題だからとかここまでしておいてよく言う。

｢目黒。康二も俺も納得した上だよ｣

｢泣いてるじゃん｣

｢整理がついてないだけ｣

｢康二のどこに非があったの｣

｢べつに、ただの愛してるって言う気持ちが消えちゃっただけ｣

康二の泣き声は止まっていたけど、俺の怒りは収まらなくて、乱暴にだてさんを突き飛ばしたら楽屋の外に出た。

あんなだてさん知りたくなかった。

昨日まで康二のことを愛おしそうに大事そうにしていたのに一晩で愛が無くなる？そんな馬鹿げた話ある訳ない。

廊下をウロウロしていた脚は楽屋に向いていた。