離さない。 ページ30
スノ × こじ
愛されてます。
Purple Side
楽屋はいつになく静かでそれが誰のせいなのかは…
｢…ﾋｯｸ…ｯ泣｣
俺らの万能調味料向井康二。
楽屋に入ってきた時には既に涙をボロボロこぼしてて、俺らが聞いても首を横に振るばかりで全く口を開かない。
｢康二｣
｢…ｳｰｯｯﾋｯｸ…泣｣
照が隣で背中を撫でてやっても全く泣き止む様子がない。
どうしたもんかと俺たちは顔を見合わせるばかり
｢康二、おいで｣
次に動いたのは目黒。
康二は少し顔を上げて手を広げる目黒を見る。
涙をぐいっと袖口で吹き上げるとバフっと勢いよく抱きついた。
｢離れてかんといてぇぇ泣｣
抱きついたかと思えば大きな声でそんなこと。
｢大丈夫。誰も離れてかねぇよ｣
目黒は頭をぽんぽんと優しく撫でながら康二に笑いかける。
｢俺もだそー！こーじー！｣
目黒に続くように佐久間やラウールが抱きつきに行って翔太も
みんなが康二をぎゅっと抱きしめた。
───
──
｢なんで康二はあんなこと思ったの？｣
阿部が康二に問うと康二は目をうろうろさせながらええとなんて口ごもった。
｢康二｣
翔太が康二の目の前に回り込んで両頬をムギュっと挟む。
｢お前は甘えん坊でいろよ｣
｢ほえ？｣
｢お前は、康二は俺達に素直に甘えて高校生のラウールにだって甘えて、それが、お前だろ｣
まとまらなくなって赤い耳を隠すようにガシガシっと康二の頭を乱暴に撫でる。
康二はぼーと翔太を見ていたけど、ポツリと話し始めた
｢夢をな見てしもうて…笑って手ぇ繋いで9人で歩いとるのにゆっくり一人一人手が離れてってな…｣
また、康二の瞳がゆらゆらと揺れる。
多分、これ以上は言わせてはいけない。
康二の頭の中には夢だけじゃない。違う映像が流れている気がして、大阪で頑張ってきた時の記憶が流れている気がして…
｢ふっか、さん｣
｢もう、大丈夫。ぜってぇお前の手、話さねぇから｣
SnowManは康二を離さない。
ーENDー
明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
#ひとりじゃないって最強だ
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作者名：暁紫 x他1人 | 作成日時：2020年9月20日 16時
