Snow Orange 《Ⅱ》 (ページ24)

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Black Side

少し冷たくしすぎていたかもしれない。

そうとは分かっていても康二だからって油断してた。

目の前にはお酒に酔いふわふわしている可愛い康二。

ぼーっとしてるけど…

｢あ、あべちゃんそれほしい｣

舌っ足らずな口調でたどたどしくあべちゃんに話しかける。

｢これ？気に入ったの？｣

あべちゃんの手には甘いお酒が、それもとびきりアルコール度数が高いやつ。

既に2杯はそれを飲んでる康二にもう一杯はやばいとあべちゃんも思ったんだろう、

｢やめときな？康二｣

｢なんで？｣

｢もう康二たくさん飲んだでしょ？｣

｢こーじまだ飲めうもん｣

｢だーめ｣

みるみるうちに目に涙をためて、さすがに俺が行こうかなって思った時だった。

あべちゃんの飲みかけのお酒をぱっととってぐいっと飲み干す。

おい康二俺の彼女なのに人のもん飲んじゃうの？関節キスとかになるんじゃないの？

｢めめ？顔怖いよ？｣

｢そうですか？ちょっと今俺怒ってるんで｣

隣の佐久間くんが、怯えてるけど関係ない。

俺は我慢できずに康二をぐいっと俺の方に引っ張り

｢すみません、俺と康二先に帰ります｣

早口でそう告げて部屋を出た。