Snow Orange 《Ⅱ》 (ページ11)

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参りましたページ11

だて × こじ

付き合ってます。

Red Side

俺の恋人は甘えん坊で子犬で人懐っこい。

はずなんだけど

｢康二｣

｢ん？｣

椅子に腰かけて携帯から目を離さずに応える。

いつもならすぐに無いしっぽを振って｢だてー！｣なんて言いながら抱きついてくるのに

もしかしてスキンシップ得意じゃないって言ったのが原因か？

｢翔太｣

｢…ｯ｣

翔太の名前を口にするとぴくりと反応を見せすぐにでも俺に近づきたいような素振りを見せる。

多分だけどそろそろ我慢できないんじゃないかな

｢翔太とご飯にでも行こうかな｣

｢…っ｣

携帯から目を離して俺の方を振り返る。

そんな康二の瞳には溢れんばかりの涙。

そんなになるまでなんで無理するかな…

｢おいで｣

｢…んっ！｣

手を広げてあげればバフっと音がする勢いで抱きついてきた。

涙を親指で拭ってやればニコッと可愛く笑う。

｢翔太くんとご飯食べるん？｣

｢食べてもいいの？｣

我ながら意地悪だなと思うこの質問に不安げな顔をして康二は言い淀む素振りを見せる。

｢なに？｣

聞いてあげないとまだ素直になれない康二

｢だめやの、俺と食べるの｣

泣いて心も不安定なせいか少し子供のような喋り方をする康二がなんとも愛らしい。

下唇が出た康二の顔を俺の両手で挟む

｢康二を食べていい？｣

ぶわっと耳まで赤くなる康二が素直に頷くまであと1秒。