Snow Orange 《Ⅱ》 (ページ2)

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Black Side

少し仕事が長引いて連絡入れたものの既読がつかない。

康二。大丈夫かな

無自覚で可愛いやつだから誰かに絡まれててもおかしくない。断るのも上手くないから適当に流されて連れていかれてたり…

嫌な想像が膨らんで足は自然と駆け足になる。

見つけた康二は明らかに絡まれてて

｢俺の彼女に何してんの？｣

抵抗してる康二の空いてる片手を掴んで俺の胸の中に収める。

康二の体は震えててやっぱり怖い思いしたよなって

｢お兄さん達そんなにこいつと遊びたいの？｣

｢え、いや｣

｢俺が遊んであげようか｣

演技で身につけた凄みを聞かせて笑いながらいえば｢ひえっ｣なんて変な声を上げて逃げていった

｢康二｣

｢…めぇめぇ｣

くるっとひっくり返って抱きついてきた康二の頭を俺は優しく撫でる。

｢ごめんなさい｣

急に謝りだした康二に何事かと目線を合わせる。

泣いている康二はしゃくりあげながら約束の場所から動いたって

別にそれくらい。てか、遅れてきた俺が悪いし

｢康二全然いいよそんなこと、今日俺ん家来ない？このまま｣

｢食事…｣

｢こんな震えて泣いてる康二連れて行けないよ、あと俺が嫌だ可愛い康二みんなに見られるの｣

｢かわいないよ｣

｢かわいいの｣

手を繋いで帰る帰り道

｢ねぇ康二、俺から離れないっ約束できる？｣

｢もちろんや！指切りげんまんやな！｣

END