Snow Orange 《Ⅰ》 (ページ42)

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いわ × こじ

付き合ってます。

Orange Side

｢お前なんかもう好きじゃねぇよ｣

淡い間接照明が照の顔を照らす。

｢…なんでｯ｣

俺の声は照に届く前に出ていったドアの音にかき消された。

久しぶりに2人で揃ってご飯食べれると思っとったのに、2人で笑っておしゃべりできるって思っとったのに

こんなことになったのは少し時間を巻き戻さなあかん。

─────

仕事終わり、今日はこの後照も俺もoffで一緒に帰れるねって話をしとった。

｢そうだな｣って照も笑ってくれとったのに、いざ帰ろうとすると照が困った顔でちょっと用事が出来たから先帰っといてって。

全然疑ってなかった。

帰り道に照と女性スタッフさんが腕絡ませて歩いとるのを見るまでは

その時俺の中で何かが崩れる音がした。

家に帰ってきた照に冷たい声で言ってしまった。

｢俺のこと好きやないん？｣

｢そんなわけねぇだろ｣

｢じゃあさっき歩いとった人は誰？｣

｢あれは、ただのスタッフ。なんもねぇよ｣

｢そんなわけないやん！楽しそうに腕組んで歩いとって！｣

そこからはただの言い争い。

お互い引くに引けないとこまで行ってしもうた。

────

俺が悪いんかな。

照を信じんかった俺のせい…

泣いていい立場じゃないのに涙が溢れて止まらない。

ごめんって言いたい。

お願いやから俺を捨てんとって…ｯ

さっきまで動かなかった脚が照を追いかけて動き出した。