Snow Orange 《Ⅰ》 (ページ14)

今日:8 hit、昨日:37 hit、合計:537,262 hit

〇ページ14

Orange Side

毎晩夢を見るようになった。

別れを切り出されたり、違う人の所へ行ってしまったり

そんな夢のせいですぐに起きてまって不安で寝れなくなる。

照にぃの腕の中にいるある安心で不安を消そうとするのに目を閉じたらあの光景。

寝れても日が昇ってからやから寝れる時間もほとんどない。

そんな生活を続けとったらだんだん身体の不調が現れ始めとった。

パシャパシャカメラのシャッターが切られるのと同じぐらいにズキズキ頭がいたんで目の前がチカチカする。

隣におる阿部ちゃんが不安そうに俺の背中に手を回したのに気づいたんやけどお礼を言えるほど余裕もなくて、終わった頃には自分の足で真っ直ぐ歩くことも出来んかった

楽屋に戻ればみんなが心配そうに見ていて、辛さに目を瞑るとふわっと体の浮く感じがした。

焦って目を開ければしっかりとした体が俺を抱き上げとって、そのままの状態で椅子に座る。

俺を照にぃの膝の上に座らせて鍛え上げられた胸板に体を預けさせられ頭を肩に乗っけられる。

そしてゆっくりと照にぃは口を開いた。

｢康二、何が不安なんだ？｣

隠せてはないとは思っとったけど気持ちまでバレとるなんて思っとらんかったから言われた時ビクッと体が反応した。

照にぃは俺の腕をそっと擦りながら片方の手は俺の手を握ってくれとって

｢俺が見てるお前はいつも泣いてんだよ。俺に出来ることはねぇのか？｣

全部見られとったんや

そう思ったら涙がどんどん溢れてきて

｢照にぃが、照が俺から離れてってまうからｯ｣

自分の気持ちを全部言ってしまう

｢康二、そんなことするわけねぇじゃん。
どんだけ俺がお前のこと好きが分かってねぇの？｣

照にぃは俺にそっと口付けして涙をぺろっと舐めるとみんなに聞こえないように耳元で呟いた

｢康二の不安が無くなるまで大事にしてやるからちゃんと気づけよ｣

END