あなたは聞き分けが良すぎる【めめこじ】 (ページ6)

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何もかにもイヤになる。

足をひっぽる自分も、振り覚えの悪い自分も、周りに置いていかれていると焦る自分も

やから俺は、バレへんように

嫌いな自分にならへんように、隠してきたのに

｢ねぇ、康二。大丈夫？｣

この一言で気持ちが苦しくなった。

大丈夫じゃないことにも嘘ついて、助けて欲しいも飲み込んで、必死に足掻いてもがいて努力した。

その努力は周りから見たら大丈夫じゃなさそうに見えていた。

気づいたらめめを追い出しとった。

俺が全部悪いのに涙が止まらんかった。

デビューしたくて努力するよりも辛かった。

やから、気づいてた。

自分で自分を壊すのも、周りに迷惑かけてるのも。

｢康二。頑張ったね｣

扉の向こうからめめの声がする。

柔らかくて、包み込むような優しい声。

｢康二は、ひとりじゃないんだよ｣

じわりと心に染み込んでくる。

冷たい体が暖かくなる。

｢康二、入ってもいい？｣

｢、んｯ｣

扉が開いてめめの姿を捉えた時、やっぱり涙が溢れ出した。

｢康二、一緒に頑張ろ？｣

｢んっ、、｣

泣きすぎて、声がちゃんと出んけど

めめには伝わって欲しくて

｢康二、もう大丈夫。｣