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痛くて、辛くて、助けて欲しかった。
助けて欲しかったけど、見られたくなかった。
汚くなった俺を、知らないで欲しかった。
目を開けると仕事場じゃなくてめめの家で、いつもの優しい香りのするベッドの上やった。
でも、めめの姿は見当たらなくて
なんだかソワソワと落ち着かない。
パタパタとスリッパの音が近づいてきて扉が開いた。
それだけの事だったんやけど…
｢康二？｣
｢…ｯ｣
急にゾワッと恐怖心が迫ってきて思わず布団に頭まで隠れた。
めめやって分かっとんのに
体が震えて、怖さでなぜだか外に出れなかった。
｢康二、大丈夫だよ。｣
ちらりと目を出し、めめの方を見るとめめは手を広げてこっちを見とる。
飛び込みたかった。
ギュッてして欲しかった。
やのに
｢…む、むりやの｣
｢どうしたの？大丈夫だよ｣
｢い、ややｯ｣
今の自分に触れて欲しくなかった。
汚いから
汚されたこの体を
めめに触らせたくなかった。
｢康二｣
布団の上からめめが抱きしめてくれる。
｢めっめ！ダメやの！離れて！｣
涙がこぼれ落ちる。
ガタガタと体が震える。
でも、そんな震えもめめの体温と落ち着く香りでどんどん納まっていく。
｢康二、ごめんね助けれなくて｣
｢俺が、悪い｣
｢うんん、康二はなんも悪くないよ。
もう絶対1人にしないし、怖い思いもさせない｣
めめは俺の事を抱きしめながら、そっと息を吐いた。
｢康二、俺に隠し事はなしね｣
｢うん｣
めめも怖かったってなんとなくやけど伝わってきて、俺はめめに抱きつき返した
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作者名：暁紫 | 作成日時：2021年9月21日 20時
