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「呼ばれとるからちょっと行ってくるわ」
撮影の後着替えもそこそこに康二が何も持たずに会議室に向かった。
メンバーは康二が出た途端俺の方をいっせいに見て、さっきの楽屋でのやり取りで康二がおかしいことを確信したと言ってきた。
「おかしいかったよな?」
「康二くん、苦しそうだった」
「伝えた時俺も違和感あったんだよな」
口々に言われて俺も最近の康二の行動の違和感の答えを探していた。
「あ、」
思い出した、というか気づいてしまった。
最悪の答え
「暴力…」
「どういうこと?」
俺のつぶやきに舘さんが眉間に皺を寄せながら聞いてくる。
「いや、付き合い始めてからまぁしてなかったキスとかそれ以上はしてないんすけど風呂一緒に入ったりしてたのに2週間前から断られたり、誘ってこなくなったんですよね」
肌が見えそうな行為を極端に避けているように思う、
それで導き出される答えなんて見せれないものがあるということぐらい
「気づかれないように隠してたってわけね」
ふっかさんが険しい顔をして扉を見つめた。
「会議室、早く行かないとやばいかもしれない」
あべちゃんの言葉にはっとして8人で走り出した。
「いねぇ」
「もしかして、暗号かも」
佐久間くんは会議室って言葉が暗号だと言い出した。
「俺たちの前で伝言を伝えるとしたらバレても大丈夫じゃないとしないでしょ?ってことは会議室=いつもの場所ってことかもしれない」
そうなってくるとみんなで手分けしないと康二を助けられねぇ
「めめ、とりあえずスマホ持ってるか?」
「持ってますけど」
「よし、お前は向こういけ、俺たちはあっち行くから」
「、でもッ」
みんなは俺の方を見て深く頷いた。
大丈夫だからと言われているみたいに
早く康二に会いたくて、助けてやりたくて
みんなにお願いしますと頭を下げて俺は走り出した。
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作者名:暁紫 | 作成日時:2021年9月21日 20時