unhappy end2 ページ10
「だから、これからスマホまた買い替えて家の鍵もかえよっかなーって……。
いっそ、もうちょっと大学の近くに引っ越してもいいんだけど……」
何の気なしに午後の予定を私が呟くと、
「A、いい加減にして!」と、華絵が声を荒げて立ち上がった。
周りの人たちが驚いて一斉にこちらを見るが、華絵はまるで気にならないらしい。
「あなたのお父さんが人間違いで殺されて以降、心にダメージを受けているのは知っているわよ。
スミス先生の件だって、結局行方が分からないままでそこにダメージが積み重なったのも知ってる。
でも、いくらなんでも悲劇のヒロイン症候群が過ぎない?
たった5日でスマホ買い替えてどうするの?
そもそも電話、一度でもかけてみた?
花見の時だってその後にきちんと理由を聞きに行けば解決できたんじゃない? もしかしてその時もスマホ買い替えたの?
バッカじゃないの?
見切りをつけるのが早すぎる上に一方的すぎてどうかと思う。
なんで、わざわざアンハッピーエンドになるところで終わらせちゃうの?
その先を見に行きなさいよ!」
「――お客様、どうか落ち着いて――っ」
華絵の迫力に驚いた店員さんが飛んできた。
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作者名:まつり | 作成日時:2022年6月16日 15時