検索窓
今日:140 hit、昨日:110 hit、合計:124,860 hit

morning kiss4 ページ5

私は大きく息を吸って心を落ち着かせる。

「じゃあ、中身も見てくれますか? せん……昴さんならわかるかも。
 私がどこを間違えているのか」

昨日みたいにさらっと、間違えたところを直してくれるかもしれない。
そもそも、この理論は破綻していたから、トムが私に絶望して連絡を絶ったことが理解できるかもしれない。

数年間眠らせていた誤答が正解に変わるかも――

突然、ふわっと背中越しに抱きしめられた。

「やっと名前で呼んでくれた」

その声があまりにも嬉しそうだったから、私は次の言葉が出てこない。

「次は私の秘密を開示します――だから、少しだけ時間をくれませんか?」

「時間?」

「ええ、あとはこの部屋の合い鍵を」

……話が全然見えません。
私は先輩の腕の中でくるりと向きを変えて彼を見上げた。

いつもは簡単に見せることのない、眼鏡の奥のエメラルド色の瞳が今は真っ直ぐに私を映している。

ポーカーフェイスを笑顔で包み込んでいるような、何を考えているかいまいち掴みきれない先輩の表情が、今はいつになく真剣に見えた。

――遠くに行ってしまいそうに感じて、不安になる。


私はぎゅっと彼の背中に手を回す。

morning kiss5→←morning kiss3



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (116 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
274人がお気に入り
設定タグ:安室透 , 沖矢昴 , 名探偵コナン   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:まつり | 作成日時:2022年6月16日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。