rob2 ページ36
教授は割と朝も早くから研究室に詰めていることが多いが、今朝は姿が見えなかった。
「兵頭さん、坂井教授は今日どうされたんですか?もしかして、出張とかですか?」
私はすでに研究室にいた、4回生の兵頭さんに聞いてみる。
兵頭さんは学校に泊まり込んでいるのか、月曜日というのにひどく眠たそうな顔をしていた。服装が金曜日と同じかどうかは残念ながら覚えていない。
「ああ、江戸川さん、おはよう。
そうそう、さっき教授から電話があったんだけど。なんか、大事な論文が入っていたCD-RWが盗まれたんだって。
ノートPCにもコピーしてたけどそっちも併せて取られたみたいで、困ってるようだった。本当に、大事なのはそっちかもねー。
それにしても、大学教授って意外と狙われやすいのかな? ちょっと前も確か南洋大学の広田正巳教授の家から何か取られたって言ってなかったけ。ああ、あの教授は殺害されたんだったか――」
ふぁーあとあくびする兵頭さんは、本当に眠そうだ。
これから仮眠をとるつもりだったのかもしれない。
「――ひろたまさみ」
昴さんがなぜかとても意味ありげに、教授の名前を復唱したような気もしたけれど、私は教授の論文のことに気を取られて聞き流していた。
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作者名:まつり | 作成日時:2022年6月16日 15時